まさに今が底値の国産スポーツカーとは
国産スポーツカーの中古車価格の高騰が止まらない。生産中止が発表されたホンダのS660は、1年前と比べて中古車価格が約35%もアップしている。ネオクラシック世代に足を踏み入れつつある、マツダFD3S型RX-7やトヨタSW20型MR2などもどんどん値上がりしているし、この先ガソリンエンジン搭載のスポーツカーなら、メーカーや車種を問わず、中古車相場は上がっていく予感しかない(ガソリンスタンドが激減するか、ガソリン価格が恐ろしく高騰すればハナシは別だが)。
つまり、10年、20年後を考えると、どの車種もいまが底値という見方もできるというワケだ。そんななかで、いまならお得感のあるクルマをいくつかピックアップしていこう。
【日産編】王道スポーツモデルがじつは狙い目!!
日産車なら、現状まだ100万円以下で購入できるV35スカイラインクーペがイチ押し。Z33型と同じプラットフォームで、ブレンボブレーキ付きなのに83万円ぐらいが相場。遠からず100万円を越えてくるはずなので、今のうちにゲットしたい。
あとはフェアレディZ。現行のZ34型は人気が今ひとつで、中古車相場は250万円前後。来年新しいZがデビューするとどうなるか? だが、スーパーGTの日産ワークスの車両がまたフェアレディZにチェンジすることもあり、おのずとZへの注目は高まるはず。Z33型も相場は110万円前後で年式を考えるとちょっと高い気もするが、今後の値上がりを考えると、迷っているぐらいなら買ってしまいたい。
ちなみにMTモデルではないが、R35型GT-Rの初期モデルでも800万円前後するものの、生産中止の噂が広がるなかで今後ドーンと高騰する可能性がある。
【マツダ編】走り自慢のモデルでも不人気車種なら100万円以下
マツダではRX-8だろう。いまなら平均相場は97万円と100万円以下で収まるが、FD3S型の高騰ぶりをみていると、今後ドーンと高くなる予感。ロードスターは歴代4モデルで一番不人気のNB型(2代目)が狙い目。
そんなNBもじりじり高値になってきており、現在の相場は80万円。NC型が130万円なので、その価格差を考えるとどちらかといえばNCがお得という考え方もできる。ちなみに初代モデルのNA型は160万円前後にまで高騰している。
【ホンダ編】パーツの製造廃止が気になるも2代目シビックタイプRなら150万円で狙える
ホンダは正直オススメしづらい。というのも中古車価格が全般的に高く、しかも純正補修パーツの製造廃止が激しいことが理由だ。そんななか、「強いて挙げるとすれならば、2代目シビックタイプR(EP3型)。中身はDC5型インテグラタイプRと同じだが、これならまだ150万円前後で手に入れることができる。
【スバル編】なんとVAB型WRX STIの極上モデルは700万円オーバー!
スバルもホンダと同じく全般的に高値続き。WRX STIはここ1年で約20%も上がってしまった。VAB型の初期型が200万円台で買えるうちに買っておくのもありだが、最終モデルでは新古状態のコンディションで700万円オーバーの個体もある。EJ20ターボ搭載というポイントも加算され、さらなる高騰が予想される。
【トヨタ編】初代86は少しずつ高騰傾向……狙うなら7代目のT230系セリカ
新しいGR86が高評価のトヨタだが、初代のZN6型はまだまだ平均相場で220万円前後。初期型なら160~180万円ぐらいで出回っているので、底値を狙うのならこれかも……。GR86のデリバリーが本格化すれば、もう少し安くなってくるかもしれないが、中古スポーツカー人気の影響で逆に高くなる可能性もある。
GRヤリスやGRスープラはいいクルマだが、現行車なら新車で買った方がいいと思う。あとはT230系セリカ。これが70万円前後なのは確実に底値といえる。車種を問わず、純粋にMTモデルの走りを楽しみたいという人には俄然オススメだ。
【スズキ編】スイスポはどの世代も狙い目! 走り倒すなら2代目も捨てがたい
最後にスズキ。スズキは現行スイフトスポーツがとてもよくできているので、将来値上がり間違いなし。ただ中古車価格は130~140万円ぐらいなので、10年、20年先を考えるなら新車でもよいかと思う。先代の3代目もいいクルマだが、現行車との差は大きく、将来的な人気は未知数。ちなみにいまなら価格相場は65万円ぐらい。それならもうひとつ前の2代目スイフトスポーツを30万円で買って遊び倒した方がいいかも!
また、アルトワークスは次が出てこないかもしれないので、軽スポーツが好きな人は今のうちに。現行ジムニーも大評判だが、相変わらず生産が追いつかない状態で、下手すると新車より中古車の方が高いぐらい。ジムニーが欲しい人は新車をオーダーして、納車を待ち続ける方が得だと思う。