高強度と高いデザイン性をハイブリッドした『削り鍛造』が登場!
いくつか代表的な例を挙げてみよう。まず鍛造の泣きどころだったデザインの自由度。金型に流し込む鋳造に比べ複雑なデザインは難しかったが、鍛造したアルミ合金を専用のマシンで削っていく、文字どおり『削り出し』と呼ぶ方法が確立されたことで、軽さと強度と剛性に加え高いデザイン性まで手に入れた。
価格まで鋳造に並んだとはいえないものの、ルックスにも妥協したくない人にとっては嬉しい話。一方で鋳造の製法も年を追うごとに進化し続けており、製造の際に発生する金属内部の小さな空洞を減らしたり、リムの強度を高めるMAT製法やAMF製法といった新技術が採用されている。そのため、鍛造と同レベルの強度を持つ鋳造ホイールも少なくない。
以上のように鍛造と鋳造の差が昔よりも小さくなったのは確かだ。国土交通省が定める『乗用車用軽合金製ディスクホイールの技術基準』を満たした証である、『JWL』の刻印があるのを確認したうえで好きなメーカーやデザインのホイールを選んでほしい。