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社外ホイールの「鍛造」「鋳造」の違いって何? 鍛造ホイールの方が高い? その理由は

Subaru BRZ GT300 BBS製ホイール

憧れの鍛造ホイールが欲しいけど高い、その理由とは?

 チューニングでもドレスアップでも、カスタムの第一歩であるホイール。軽さやデザインなど、選ぶポイントは目的によってそれぞれだが、性能を重視する人なら『鍛造』というワードは見逃せないだろう。レースで使われるホイールの多くが鍛造で、軽量ながら優れた剛性や強度を誇る反面、価格も高額であることは広く知られている。

 ところで当たり前のように口にしているものの、果たして『鍛造』とはどういう意味なのか。メリットを語る前にまずは基本中の基本から説明したい。

走りを追求するなら『鍛造ホイール』がマスト

 鍛造とは材料であるアルミ合金(ビレット)に高い圧力をかけて成型する方法で、肉厚を薄くして軽量化しながら強度や剛性も高いことが最大の利点。ホイールはいわゆる『バネ下』に位置するパーツであり、その軽量化は『バネ上』に比べて4倍の効果があるとも言われていいる。

 ただし鍛造は完成までの手間がかかるため、どうしても価格が高くなってしまう。近年はGT-Rのように純正で鍛造ホイールを採用するケースもあるが、以前は鍛造といえば社外品の高級ホイールという印象だった。

高強度で鍛造との品質差を埋めつつある『鋳造ホイール』

 いっぽう鍛造と比較される『鋳造』はどうか。コチラはアルミ合金を高熱で溶解させ、ホイールの金型に流し込んで成型する方法だ。イチバンの利点は大量生産に適しておりコストを抑えられること。前述したGT-Rのように特殊な例を除き、純正で装着されるホイールの大半が鋳造なのは、コストを重視しているからにほかならない。

 車種によってはオプションで社外の有名メーカーとコラボした、見た目と性能にこだわった鍛造ホイールを用意することもあるが、今後も純正ホイールのスタンダードは鋳造であり続けると思われる。なお近年は加工や製造の技術が進化したことで、鍛造と鋳造の弱点がカバーされつつあるようだ。

高強度と高いデザイン性をハイブリッドした『削り鍛造』が登場!

 いくつか代表的な例を挙げてみよう。まず鍛造の泣きどころだったデザインの自由度。金型に流し込む鋳造に比べ複雑なデザインは難しかったが、鍛造したアルミ合金を専用のマシンで削っていく、文字どおり『削り出し』と呼ぶ方法が確立されたことで、軽さと強度と剛性に加え高いデザイン性まで手に入れた。

 価格まで鋳造に並んだとはいえないものの、ルックスにも妥協したくない人にとっては嬉しい話。一方で鋳造の製法も年を追うごとに進化し続けており、製造の際に発生する金属内部の小さな空洞を減らしたり、リムの強度を高めるMAT製法やAMF製法といった新技術が採用されている。そのため、鍛造と同レベルの強度を持つ鋳造ホイールも少なくない。

 以上のように鍛造と鋳造の差が昔よりも小さくなったのは確かだ。国土交通省が定める『乗用車用軽合金製ディスクホイールの技術基準』を満たした証である、『JWL』の刻印があるのを確認したうえで好きなメーカーやデザインのホイールを選んでほしい。

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