御殿場の高校生がスーパーFJでデビューウィン
レーシングドライバーの登竜門として存在するエントリーカテゴリー、スーパーFJ。その「JAF筑波/富士スーパーFJ地方選手権シリーズ」において、富士スピードウェイで行われた最終戦となる第7戦でデビューウィンしたのが、地元御殿場の高校に通う稲葉摩人選手でした。「地元高校生が4輪デビューウィン」という、シンデレラストーリーの序章を期待してしまう稲葉選手に、モータースポーツに興味を持ったきっかけや、これからの目標を伺いました。
きっかけは「エコカーカップ」
『○○選手に憧れて』『レースを観て自分も走りたいと思った』など、レーシングドライバーになるきっかけはさまざま。ですが、そのなかでも稲葉選手はちょっと変わっていて、富士スピードウェイで行われているエコカーカップが始まりだったそうです。
「父の影響で元々クルマは好きだったので、実際にレースの映像は見ていました。しかし大きなきっかけは父が参戦したエコカーカップでしたね。エコカーカップは燃費と順位で総合順位が決まるので、速さだけを競う競技ではないのですが、父をはじめピットからコースに向かうドライバーたちがとてもカッコよく見えたんです。そしてこの時初めて『自分もドライバーになりたい』と本気で思いました。小学校低学年のときでしたね」
そこから稲葉選手はカートレースに参戦。しかし、あまり目覚ましい結果は出なかったそうです。
「小学5年から中学1年までSLカートミーティングのTIA Jrというクラスに参戦し、中学2年から中学3年の途中まではステップアップしてROTAX MAX CHALLENGEというレースに参戦していました。でも優勝できたのは中学のときのSL最終戦のみで、鳴かず飛ばずでしたね」 レーシングドライバーという目標を諦めかけていた矢先、フォーミュラマシンを運転する機会がふたたび稲葉選手を目覚めさせたと言います。
「知人から『1度フォーミュラに乗ってみたら?』と言われて運転してみたんです。そうしたら速かったみたいで誉めて頂けました。カートとフォーミュラは運転の仕方が全然違ったのですが、このときにフォーミュラでもう一度やってみようと決めました」