秋の「サイドウェイ・トロフィー」参加リポート・準備編
この秋11月28日(日)に千葉県・袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された、モーターレーシング黄金期を再現した参加型イベント「フェスティバル・オブ・サイドウェイ・トロフィー」。前回はイベント全体の様子と雰囲気をご紹介したが、今回は、こうしたモーターレーシングへの参加の一例として、実際にエントリーして参加した筆者(奥村)が、当日までにどんな準備をしたのかリポートしたい。
新たに購入した1968年式「アルファロメオ1600ジュリア」で走りたい!
約25年前からヒストリックカーでのレースを楽しんでいる筆者は、この「サイドウェイ・トロフィー」も10年前にワンデイイベントになる以前から参加してきた。
参加してきたクルマは、1969年式「フォード・エスコート」に始まり、1969年式「フォード・マスタングBOSS 302」、1967年式「ミニ・マーコス」。愛車は節操なく変化しているのだが、「サイドウェイ・トロフィー」の最初期から約20年にわたって、このイベントを満喫させてもらっている。
2021年秋の今回、「サイドウェイ・トロフィー」にエントリーしたのは、数年前に入手した「アルファロメオ1600ジュリア・スプリント・ヴェローチェ」という1968年製造のマシンだ。外観は当時「ヨーロッパツーリングカー選手権(ETC)」を席巻した「アルファロメオGTA」仕様へと変更している。
ボディはスポット溶接を増して強化してあり、さらに強化サスペション、7点式ロールケージ、バケットシートなどといったレーシングモデファイが施されていた。前オーナーもサーキット走行を楽しんでいた個体が売りに出ていると知人に知らされ購入。
残念ながら、フルチューンされた1600ccのオリジナルエンジンは前オーナーのときにブロー。現在は1750ccのノーマルエンジンへと換装されていたが、そのままでサーキットを走れる状態だった。
ご近所の元レーシングドライバーと一緒に耐久レースへ
筆者は4年前より埼玉県北部の某所に倉庫を借りて、そこをクルマ遊びの基地として楽しんでおり、近隣の同じ趣味の仲間も顔を出してくれる。今回の耐久レースでコンビを組む篠田康雄さんもそのひとりだ。
その篠田さん、じつは元レーシングドライバー。1980年代には、あの8本スポークホイールで有名な「RSワタナベ」のマシン「ファルコン80A」で「FL550」というフォーミュラレースを走り、筑波と鈴鹿のチャンピオンにも輝き、「富士グランチャンピオンレース(GC/グラチャン)」まで経験した大ベテランである。
引退から約40年経た現在も時々、仲間たちと草レースを楽しんでいるという。倉庫での茶飲み話から、篠田さんと筆者とで組んで「サイドウェイ・トロフィー」での耐久レース「セブリング40Mトロフィー」に出場しようとなったのだった。
自分たちの手でメンテとチェックするのも楽しみのひとつ
ヒストリックカー・レースに参加する人にもさまざまなタイプがいる。レース車両のメンテナンスも自身で行うことを趣味とする人もいれば、完全にプロに委ねて完璧な状態で参加するエントラントもいる。筆者の場合は、不動状態から再生するのも自動車趣味のひとつというスタンスで、当然、走行準備も自身で行う。まずは各部にゆるみなどないか各部をレンチチェック。
元プロドライバーとはいえ、引退からの時間も長い篠田さん。念のため、アルファロメオを倉庫近くにある本庄サーキットへ持ち込んで、フィーリングを確認してもらった。レジェンドドライバーも自ら空気圧をセットアップ。
シート位置からのハンドルやペダル類の距離は問題なし、篠田さんに笑顔があふれる。また、日曜日ということもあり、友人の川田さんも手伝いに来て、シートベルトの装着などをサポートしてくれた。筆者もプラグを暖気用から熱価の高いレーシングプラグへと交換。