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スバル中興の祖「初代レガシィ」! 評論家ですら「あれはセンセーショナルだった」と驚愕したワケは?

本当の伝説グルマ 初代レガシィ

 いよいよ、待望の新型レガシィアウトバックの国内仕様が先日発表された。この新型レガシィアウトバックはレガシィシリーズとしては7代目であり、初代登場からじつに32年、レガシィはスバルのフラッグシップモデルに君臨し続けている。

 初代レガシィはそれまでのスバルの主力モデルであるレオーネから一新。走破性という面では定評のあったレオーネだが、レガシィではシャーシからエンジンに至るまで多くの物を完全に新設計とし、ライバルのひしめく2.0Lクラスのセダン市場にすい星のごとく現れた。内外装もそれまでの独特なデザインから、革新的なデザインでありながら多くの人から支持されるオーソドックスなテイストを盛り込んだ。

世界記録を携えて輝くデビュー

 初代レガシィは発表前の1989年1月に、アメリカ・アリゾナ州フェニックスで10万km世界速度記録へ挑戦。DOHCインタークーラーターボを搭載するセダンRSは、走行平均速度223.315kmというワールドレコードを樹立し、日数にして19日間で達成した。この偉業は当時テレビでドキュメンタリー番組として報道されるなどして、クルマ好きにも大きな影響を与えた。

 DOHC全盛期に旧態化した1.8LのOHVエンジンを搭載し、四駆は曲がらない! と言われていたレオーネ。それに比べ、一気に時代の最先端、しかもクラストップレベルのスペックを誇るEJ20エンジンの搭載で、ワインディングからサーキットまで「曲がる四駆!」と言われるほど高いコーナリング性能までも併せ持っていた。そんなレガシィRSの登場には、それまでスバルに興味を持たなかったユーザーまでも振り向かせるほどセンセーショナルな出来事であった。

 この世界速度記録の樹立により、レガシィはまったくのニューモデルでありながら、高い運動性能と耐久性を兼ね備えることをいきなり実証した。こうしてデビューした初代レガシィは、モータースポーツの世界でも活躍。レオーネ時代からラリーフィールドでは活躍していたSUBARUが、N1耐久レースなどサーキットでも活躍するようになった。

 もちろんその主戦場はラリーであり、WRCでは1993年のニュージーランドラリーで優勝。スバル初のWRC優勝を獲得し、その座をインプレッサWRXへと譲った。

2代目ツーリングワゴンが大ヒット

 レガシィという名を聞けば、ツーリングワゴンというイメージを抱く人も多いだろう。もちろんステーションワゴンとライトバンの区別もあいまいな時代に、乗用モデル専用車としてワゴンを設定。バンを持たないことでイメージアップを図り、さらにRS譲りのDOHCターボエンジンを搭載することで、ワゴンボディでも侮れない高い運動性能を有するレガシィツーリングワゴンGTが大ヒットしたことは、多くの人が知っていることだろう。

 確かに今回登場した新型レガシィアウトバックのルーツを遡れば、この初代レガシィへたどり着く。その一方で、セダンRSというモデルはインプレッサからWRXへとその血統が受け継がれ、究極のグランドツーリング性能を誇るレヴォーグのルーツは、この初代レガシィのツーリングワゴンGTへとたどり着く。世界速度記録の樹立に始まり、WRCという世界で戦い、スポーツセダンとしての地位を築いただけでなく、ハイパワーワゴンという新しい提案により爆発的ヒットとなった初代レガシィ。SUBARUの現行モデルの多くは、この初代レガシィがあったからといえるほどの名車であることは間違いない。

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