侍・忍者・桜……「仮想JDM」なプロボックス&サクシード三兄弟
札幌のカーショップ「d.i.d」は、商用バンとしておなじみ「トヨタ・プロボックス/サクシード」を3台展示。いずれもド派手なカスタムで、共通のテーマは「仮想JDMなんのこっちゃ仕様」! 外国人が日本に対する間違った認識で作ったクルマ、を想定しているのだそうだ。
黄色い2004年式サクシードのショーネームは「SaMOONrai Suxy“侍魅力”」。このイベントの主催でもある「ムーンアイズ」を最大限にリスペクトしたコンセプトで、「アイボール」などムーンアイズグッズを満載。リヤ部分にはムーンアイズ所属の世界的ピンストライパー・ワイルドマン石井氏にショーネームをドローイングしてもらっている。
ライトパープルの2010年式プロボックスは「Ninja Box“忍者箱”」。ここまでの2台はともにインパクトの大きい「BOYDS」ホイールを履いている。
そして2005年式サクシードは「Yozakura Suxy“夜桜魅力”」。サムライ、ニンジャ、サクラと、いかにもアメリカ人が好きそうな「日本」風カスタムが面白い。
アメリカで愛される日本車といえば「ダットサン」
今回のホットロッドカスタムショーで「ベスト・ジャパニーズ・カー」の栄冠に輝いたのは、「Chrome Sphere」のショーネームを与えられた、「Datsun Lifestyle」さんの1974年式「ダットサン・サニー」(B210型)。ピカピカなボディだけでなく、アメリカの「ホットロッド」やレースシーンの要素をうまく盛りこんでいて、美しいだけでなくマニアも唸らせる完璧な仕上がりだった。
また、アメリカでは初代S30型フェアレディZが「ダットサン240Z」として販売されて大人気となったが、これにシボレー製5.8L V8エンジンをブチこんだマシンが存在し、「580Z」と呼ばれる。アメ車のベテラン土肥さんが今回デビューさせたショーネーム「Blue Thunder」は、「BREダットサン580Z」をベースに美しくカッコよいレーサースタイルに生まれ変わらせていた。
アメリカで愛された日本車といえば、きわめてオリジナル度の高い1979年式「スバルDL(日本名:レオーネ)」の4WDステーションワゴンも目をひかれた。カーショップ「COASTLINE」が北米から逆輸入したクルマで、ルーフラックに至るまで当時の北米市場のカタログを再現。唯一変更したホイールは、クルマと同じ1979年に発売された「ENKEI COMPE8」と、時代考証に抜かりがないのだった。
長年にわたりマナー向上を呼びかけてきたおかげで、会場の外も中もみなマナーよく、コロナ禍においても適度に密を避けてインドア開催することができたホットロッドカスタムショー。すでに来年12月の次回に向けて動き始めているプロジェクトも多いようだ。
ほかにも大量の国産カスタム車両を画像ギャラリーに掲載したので、ゆっくりご覧いただきたい。