「空力」の効果を体感
以前FIA-F4をドライブしたときは広い駐車場で3速に入らない位の速度域でしたが、今回は国際コース、速度域も全然違います。それだけに新たな発見もありました。それはダウンフォースの効果です。
富士スピードウェイで言えばコカコーラコーナーや100Rでダウンフォースの効果を感じることができ、想像よりも高い速度でコーナリングすることができました。逆に難しかったのが低速コーナー。ダウンフォースの恩恵が得られないため、マシンがピーキーな挙動になりやすく、ダンロップコーナーや最終パナソニックコーナーなどで何度もスピンをしてしまいました。こういった車両特性から苦手なコーナーを事前に洗い出しておくことは、実際にサーキットを走った時にとても役立つと感じました。
重いステアリングやブレーキなどと戦いながら20周もすると汗だく&ヘトヘトに。あらためてモータスポーツが、身体を使うスポーツだと感じた体験となりました。
今後はどうなる?
今回は体験させて頂いた「TOM‘Sマルチシミュレーションシステム」は、すでに開始されているフォーミュラカーを誰でも運転できるサービス、「TOM’Sフォーミュラカレッジ」と併用されるとのこと。さらに、眼球運動や脳波測定など統合分析での実用化も目指していて、運転時にどのような身体的、精神的ストレスがかかるのかなどを分析し、運転支援システムの開発などにも活用していくとのこと。 このシミュレーターシステムは今回で完成。という訳ではなく、今後も改良を繰り返しリアルとバーチャル限りなく近づけていくそうです。レーシングチーム、レーシングコンストラクターという枠だけに留まらず、新たな可能性を追求し続けるトムスに、今後も目が離せないと感じた取材でした。