1965年式BMWイセッタ
続いて紹介するのは、1965年式のBMWイセッタで参加した佐藤 猛さんだ。コ・ドライバーを務めたのは23歳の柴田直人さんで、彼はヒストリックカーラリーに参加するのも、PC競技に挑戦するのも初めてという現役の大学生だった。
「以前から1959年式のメッサーシュミットを持っていて、メッサーが手もとにあるとイセッタも欲しくなるんですよ(笑)。ちなみに、メッサーシュミットはディーラー車です。それで1~2年前に本国仕様のBMWイセッタを買ったのですが、このクルマ、ご近所のマンションの地下駐車場にずっとあったんです」
「今回のコッパ ディ 東京でコ・ドラをやってくれた柴田くんは、私が趣味で走らせているミニSLに子どものころから乗りにきていた乗り物好きで、すっかり大きくなったので、どう? という感じで誘ってみて、一緒に来てもらいました」と話してくれた。
佐藤さんによると、イセッタで走るコッパ ディ 東京 2021は例年よりも走行距離が長かったので「くたびれた」とか。柴田さんのほうは「最初、PC競技のやり方がわからなかったのですが、楽しかったです」とコメントしてくれた。
1992年式ロータス・エラン
最後に紹介するのは、某自動車会社でデザイナーを務めていた中尾 博さんだ。4~5年前にアルピーヌA110の助手席でコッパ ディ 東京に参加したことがあるが、自身の愛機で楽しむのは初めてとのこと。今回、29年前に購入した1992年式のロータス・エラン(M100型/前輪駆動)で全行程を走り抜けた。
中尾さんの愛機は中期型で、ロータスのロンドンセンターから購入したのだという。ボディ同色のカラーストライプが入ったオリジナルのシートを装備しており、エンジンヘッドなどの差し色は、中尾さんが見映えをよくするために施工したものだ。
一流のコーナリング・マシンと評されることもあるM100型エランは、車体をロールさせながらも粘り強く路面をグリップさせ続ける優れたサスペンションを採用したことにより、秀逸で世界に冠たるレベルのハンドリングのよさを実現していた。
コッパ ディ 東京などのヒストリックカーラリーは速く走った者が勝つレースではない。毎回、走って楽しいコース設定となっているので、中尾さんも、きっと愛機のハンドリングのよさを再確認したに違いない。「天気がよかったので、楽しかったです。オープンカーには最高ですね」と話してくれた中尾さんはつねにオープンで走っており、幌のビニールは交換していないそうだ。
エントラントとギャラリーの双方がルールを守る必要がある
コロナ禍が完全に収束したわけではないので、今年も入場が規制されたが、ウレシイことにたくさんのギャラリーが汐留イタリア街に駆けつけてくれた。それはそれでよかったのだが、汐留イタリア街周辺のコインパーキングが都市開発によって減ってしまったこともあり、路上駐車が横行し、警察の取り締まりがあったこともお伝えしておきたい。
イベントを今後も継続していくために、エントラントとギャラリーの双方がルールを守る必要があるので、みんなで節度ある行動を心がけ、これから先も長くずっとコッパ ディ 東京を楽しんでいけたら幸いだ。