世界中の軍隊と警察で愛用されている隠れベストセラー
シェルパ・ライト・スクートのボディサイズは全長5.43×全幅2.36×全高2.13mで、ホイールベースは3.54m。乗車定員は5名で、リヤにハードトップの付けられる2.5m3の積載ベッドがある。エンジンはルノー・トラックの「MD5」と呼ばれるユニットで、4.7Lのコモンレール直噴ディーゼル。215ps/800N・m仕様で、最高速は120km/hに達する。当然デフロックを備えた4WDで、6速ATが組み合わされている。
200Lの燃料タンクを装備し、70km/h平均による走行なら最大航続距離は約900kmに及ぶという。ちなみにタイヤサイズは335/80R20で、実用積載重量は3.3t、地上最低高は41cmで、最大渡河水深は1mとされている。最大登坂能力は60%の傾斜を登れるとし、最大安定傾斜角度40%の傾きにも耐えるという。また深さ90cmの溝や高さ40cmの障害物を超えられるとか。
だがシェルパ・ライトの強みは車両としての完成度に終わらない。兵員輸送車や重武装装甲車、砲架車両といったさまざまなバリアントに派生するのに、3種類の異なるホイールベースで95%のパーツ・コンポーネントを共有できるというモジュラー性の高さだ。
それもラダーフレームと駆動系の基本設計が強靭であるがゆえで、パワートレインや装備は、仕向け地の軍隊や警察の必要とする仕様に応じて、いくらでも変えられる。よってフランス本国やNATOといった欧州で制式採用されているのはもちろんだが、クウェートやエジプトにレバノンといった中近東、ブラジルやチリなど南米、インドやインドネシアといったアジアにも広く輸出されているのである。