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場合によっては「車検NG」ってホント? 意外と知らないバケットシートの「メリット」&「デメリット」

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: BRIDE/Auto Messe Web編集部

ガッチリ包み込んで強烈な横Gでも身体がブレないフルバケ

 一方、フルバケットシートは何といっても、圧倒的なホールド性と剛性感が魅力だ。サイズさえ間違わなければ強いGがかかったときも、ステアリングにしがみ付く姿勢になったり、腰や太ももを抑えるため余計な力を入れることもなく、スムースかつ正確なドライビングが可能だ。ブリッド製フルバケットシート

 そしてフルバケットの素材はFRPやカーボンが多く、純正シートやセミバケットと比較しても非常に軽量なのだ。ただし角度の調整が一切できないことや、後席への乗り降りが面倒なマイナス面も忘れてはいけない。フルバケットシート(カーボンシェル)

 ちなみにバケットシートはモータースポーツ用という印象が強いせいか、長時間の運転には向かないと誤解したままの人がいる。ところが実際は身体がズレにくく踏ん張る必要がないことや、背骨などの角度が矯正されて正しい運転姿勢を取れるため、逆に疲労の軽減に繋がるアイテムだと考えてもいい。ホールド性抜群のフルバケットシート

 もうひとつのメリットはサーキット走行の必需品である、4点式シートベルトを確実に取り付けられること。バケットシートの背もたれにはほぼ間違いなく、4点式シートベルトを通すための穴が開いている。仮に凄まじいGを受けたとしても肩ベルトがずり落ちることはなく、ホールド性のさらなる向上に加え、クラッシュしたときの安全性も高まるのだ。フルバケットシート/4点式シートベルト

 それが純正シートならどうなるか。確かに4点式シートベルトだけでも身体を押さえる効果はあるが、バケットシートには遠く及ばないうえベルトの固定にも不安が残る。4点式シートベルトの性能をフルに引き出すには、バケットシートとの併用が欠かせないだろう。

基本的に車検OKだけどフルバケは条件次第ではNGに……

 最後は車検に関して。リクライニングするセミバケットなら話はカンタンで、保安基準に適合したシートとシートレールであり、そのふたつが同一メーカーであれば問題ない。ブリッドやレカロに代表される大手メーカーの製品で、大きなヘッドガードを持つサーキット専用品でない限りは、さほど心配する必要はないと思われる。ブリッド製バケットシート

 フルバケットシートもシートとレールが保安基準適合で、同じメーカー同士の組み合わせが前提なのは変わらず。注意したいのは後部座席があるクルマであれば、背面に緩衝材を装着しなければいけない点だ。要は事故を起こしたときの乗員保護が目的で、各メーカーから発売されている専用品や、荷物の梱包に使うエアクッションでも問題はない。運転席・助手席フルバケットシート

 また、後部座席があるクルマにおけるもうひとつの注意点は、運転席か助手席の片方がリクライニングできること。左右どちらもバケットシートに交換するのであれば、運転席はフルバケで助手席はセミバケというのがベターだろう。

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  • 4点式シートベルトバックル
  • フルバケットシート/4点式シートベルト
  • フルバケットシート(カーボンシェル)
  • 市販車リヤシート
  • レカロRMS
  • レカロ製リクライニングシート
  • ブリッド製バケットシート
  • フルバケットシート(パーティレース装備)
  • バケットシート着座姿勢
  • ブリッド製フルバケットシート
  • 運転席・助手席フルバケットシート
  • ホールド性抜群のフルバケットシート
  • 市販車純正シート
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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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