軽自動車レース参戦! マシン準備で気をつけたいこと
手ごろな車両価格とタイヤ代などランニングコストの安さで、全国的に盛り上がっている軽自動車のレース。基本的なチューニングや走らせ方は普通車と一緒だが、若干ながら『軽自動車ならでは』の注意点もある。来シーズンからの参戦を考えている人たちに向け、クルマ作りを中心としたアドバイスをしてみたい。
サーキット走行にはロールケージ
まずは安全装備から。レースをやるかどうかは別な話としても、サーキットを走るなら装着したいのがロールケージだ。軽自動車に限らずクルマの安全性はどんどん高くなっているが、サーキットでは一般道よりはるかに高いスピードで事故を起こす可能性があり、ドライバーがダメージを負わないためにも最大限に対策するのがマナー。
ちなみに新規格NAのワンメイクレース『東北660選手権』は、初年度から6点式を超えるロールケージの装着を強く推奨しており、3年目から全クラスとも義務化され現在に至っている。このようにレギュレーションで定められていなくとも、自主的に装着するくらいの心構えでいるべきだ。
エンジン回転数を把握するタコメーターは必須
廉価グレードである場合が多いNAなら、タコメーターが装備されていない可能性が高い。エンジンをレブリミットまで使うサーキットで、回転数が分からないのは致命傷もいいところ。上級グレードの純正メーターを移植するのもいいが、正確さと視認性でいえばサイズの大きい社外品に分がある。見た目もレーシングカーっぽくなり一石二鳥。
Kカー独特のパワーを活かすか殺すか
駆動系やタイヤにもローパワーゆえの注意点がある。機械式LSDはスポーツ走行を楽しくしてくれるパーツだが、NAの軽自動車では抵抗となって加速や最高速が落ち、速くするつもりがタイムダウンしてしまうケースも。
タイヤも同様でグリップ力が上がるほど転がり抵抗も増え、直線や立ち上がりでいわゆる「パワーが食われる」状況に陥ってしまう。タイムを落としたり後続車にあっさり抜かれたり、逆効果となることがあるのでバランスを考えてチョイスすべし。
逆にターボで気を付けたいのは冷却系だ。全般的にエンジンルームが狭い軽自動車は、熱がこもりやすく水温や油温が高くなりがち。好きなタイミングで休めるフリー走行は別として、周回数が決まっているレースは途中で休むワケにもいかず、無理やり走り続けてエンジンブローなんて事態も絶対に避けたい。どこまで冷却系の強化が必要かは車種や仕様によって変わるので、詳しいプロショップに意見を聞くのが確実だろう。