「働くクルマ」なのにユニークすぎたモデル達
商用車というのは当然のことながら、働くクルマだ。それゆえ、実用性重視で見るからに仕事の相棒的な雰囲気なのだが、なかには楽しく働こう的なユニークな商用車もある。今回はそんなユニークな商用車たちにスポットを当ててみた。
日産エスカルゴ
Be-1から始まる日産パイクカーシリーズの1台で唯一の商用車となる。その名前からもわかるように、カタツムリのような丸みを帯びたスタイルで、キャラクターもカタツムリが使われていた。二分割のドアウインドウやハンドメイドのボンネットなど、ぜいたくな作りはバブルならではだ。
ベースはパルサーバンで、トレーリングアームを採用していたことから乗り心地もよく、荷室の拡大にも貢献。エンジンは1.5Lで3速ATと組み合わされた。1989年から1990年の2年間のみの生産だったが、限定ではなかった。
ダイハツ・ミゼットII
ダイハツのミゼットといえば、1960年代を中心に日本の商売を支えたユニークな小型3輪トラックとして有名だ。ミゼットでなくても、ミゼットと呼ばれることも多く、日本の自動車史にも名を残す名車だろう。その初代をモチーフにして1996年に発売されたのがミゼットIIで、当初はトラックボディのみだったのが、カーゴタイプも追加されている。
当初のMTではひとり乗りだったが、コラムシフトにしたATを追加して、こちらはふたり乗りも可能だった。廉価グレードだけでなく、カスタム仕様もいくつか出たのも注目だ。ちなみに小さすぎたためラインの関係で手作業の工程も含まれていた。
ダイハツ・ハイゼットデッキバン
トラックにはダブルキャブがあるし、軽でも同じようなものがあったらいいのにというと思ったかどうかは別にして、軽バンと軽トラの特徴をうまく兼ね備えたのがデッキバンだ。そもそものきっかけとしては、家電店が冷蔵庫を縦置きできるようにということで、松下電器とダイハツが共同開発したものとされている。1988年の7代目ハイゼットに設定されたのが最初で、現在も設定があるロングセラーになっている。