欲しいと思ったときは製造廃止になっていることも……
一台のクルマを20年、30年通り続けるために欠かせないのが純正補修部品。自動車メーカーも日常維持するために必要な部品は、なるべく供給を絶やさないように努力してくれてはいるが、それでも年々製造廃止(以下、製廃)になっていくパーツは多い。とくに内装関係(トリム類)や、限定車専用部品などの打ち切りは早い……。
オリジナルの状態にこだわりがある人なら、新車装着時のパーツが元気なうちにあえて社外品へ交換し、純正パーツを温存しておくというのもひとつの手だ。
インテリアパーツは早々に製造廃止となる可能性が高い
例えばまずシート。スポーツモデルなどの純正セミバケットシートはなかなかよくできていて、使い心地がいいものも多いが、製廃になりやすい部品のひとつ。大事にとっておきたければ、純正品が劣化する前にレカロやブリッドなどの社外品に換えてとっておいてもいいかもしれない。
あとはステアリング。本革のステアリングは手との摩擦に加え、直射日光や夏の高温などの影響もあり、やがて表皮が痛んでくる。痛んだ場合、本革を張り替えるというリフレッシュもできるが、普段は社外品のステアリングを使って保存しておくという方法も。
シフトノブやシフトブーツも同様だ。ホンダのタイプRシリーズのように、チタン製のシフトノブなら半永久的に使えるが、本革製は寿命がある。シフトブーツもいずれ破れてくる運命にあるが、これは製廃になる前にスペアを確保しておいた方がいいかもしれない。
またペダルのゴムなども、ロゴが入っているものだったら、アルミのカバーを付けたり、スペアを用意しておいたりしたいところだ。
スペアを確保しておくと安心なパーツも多い
内装以外では、純正ホイールはとっておきたい。オリジナルの仕様、無改造らしさをアピールするなら、純正ホイールはけっこう重要。これも普段は社外のホイールを履かせておいて、ここぞというときに純正ホイールへ履き替えると注目度が上がるかも!?
純正のリップスポイラーもクルマの表情に影響する部品なので、温存候補に。意外なところでは、純正のダンパーとスプリングも。のちのちノーマルはどんな味付けだったのかを検証したくなったとき、純正サスは欠かせない。車高調などを入れたとしても、純正サスを保管しておくと役立つ日が……。
細かなパーツは早めに揃えておくと安心だ
そのほかは、樹脂製のドアインナーハンドルや、シートベルトも製廃になると困る部品。これは社外品の流用ができないものもあるので、スペアの新品を確保するか、製廃になる前に早めに交換しておこう。
フロアマットも消耗品。車種専用の社外品も増えてきているので、純正が製廃になってもそれほど困らない。だが、オリジナル重視なら純正品を温存し、社外品を普段使いにするのもいいだろう。
電装品、とくにハーネス類も製廃が早いパーツなので、社外品で代用できるかどうかは調べておいた方が安心だ。人気車種なら、日産やマツダ、トヨタなどでも部品復刻の動きがあるが、復刻部品はかなり価格が高くなることも多い。気になる純正パーツは、温存しておくのが得策かもしれない。