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納得いかない! 旧車の純正部品が高い、復刻したらもっと高い! メーカー側の「どうしようもない事情」とは

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: TRD/NISMO/Auto Messe Web

純正部品の復刻パーツの値段が高くなる事情

 そこで旧車向けの復刻パーツだ。これらはどう生産されているかというと、再生産が簡単にできるものが優先されている。日産はワンオフでR32などのボディパネルを作ってヘリテージパーツとして供給しているが、これは例外で、基本的には型が残っているものが多い。部品生産のなかで金型は莫大な費用がかかるため、少量のために金型を起こすと超大量に生産しないと目玉が飛び出る価格になってしまう。R32GT-Rの純正部品(復刻)

 そもそも補修部品のなかには新車時にたくさん作っておいてストックし、大きくて重たく機密も含まれている金型は、生産終了後に破棄していることもあったりする。また、金型を必要としないで既成素材を加工して作れるものでも、100から1000のロットでまとまらないと生産してくれないし、それでも価格は高くなってしまう。あらゆる部分が大量生産を前提としているので、少量という小まわりは不得意かつ高コストなのだ。R32GT-Rの純正部品

 また、多くのメーカーでは自動車メーカーと部品メーカーの間には部品台帳みたいなものがあって、そこに載っていればオーダーすれば部品メーカーは少数でも作ってくれることになっているので、これに基づいて復刻している例もある。この場合、型があるなしに関係なく、発注があれば作らないといけない。R33GT-Rの純正部品

 実際にリストを見たことがある開発者に聞いたところによると、「意外に古い、こんなものまで載っているんだ」という感じらしい。このパターンでも作ってくれるとはいえ、困っている人が一定数いるとはいえ、手間はかかるため、高くなるのは仕方がない。

 そのほかの出どころとして、長期在庫を引っ張り出してきて売っているのではないかという人もいるが、それは基本的にはない。在庫は資産として税金がかかるし、利益に直結するだけにメーカーの在庫管理は厳密。日本のメーカーは必要な分だけ納品するかんばん方式が基本だ。ただ、某メーカーの新しいブランドの部品番号のシールを剥がしたら、純正部品のシールが出てきたというのも事実なので、実際は流用的なことはあるかもしれない。

まとめ:長く乗りたいなら買うしかない

 生産自体はオーダーがあれば簡単にできたとしても、大量に作って大量に売れるわけではないので高いのは仕方がない。転売ヤーまで出現している絶版パーツの世界を考えれば、ホントにあるだけありがたいし、今や旧車はお金のかかる趣味だ。手に入らなくなってから騒ぐのはどこも同じで、最近一部の復刻パーツがまた生産中止になっている例も出てきているので、「いつまでもあると思うな親と部品」と心得て、オーナーはストックするなどの対策を取ったほうがいい。トヨタの復刻パーツ(AE86)

 高いのに驚くのはわからないでもないが、今より安くなることはないし、いつまでも供給されるわけでもない。形が当時物と違うとか、素材がオリジナルじゃないなどと言わずに、長く乗りたいならありがたく購入したい。

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