【実録失敗談:その3】
もう、爆発寸前!
最後はキャンプを始めて間もないころ、趣味の仲間と栃木県のキャンプ場を訪れたときの話だ。1月半ばのキャンプ場は閑散とし、ボクたちだけで貸し切りの状態。管理棟から離れたフリーサイトに陣取ってキャンプサイトを設営したのは、多少の騒ぎ声でも誰にも迷惑をかけることのないように配慮したからである。
素材を持ち寄ったバーベキューで盛り上がり、たき火を囲んでの宴は夜中まで続いた。酔いが回り、ひとり、またひとりとテントに戻り、盛り上がった宴のテーブルをそのままに全員が眠りに就くことに……。
すると翌朝、屋外に放置したままのペットボトルの水はパンパンに氷結して爆発寸前、そして食材はカチンコチンの冷凍食品と化していた。気を取り直して朝食の支度をするために用意していたガスコンロに火を付けるも、氷点下のではガス圧が上がらず小さな炎を上げるだけ……。
当時のボクたちは冬用のハイパワーガス(寒冷地対応ガス)を用意するという知恵はなく、氷点下に冷え込んだキャンプサイトで茫然自失状態であった。ダダ下がりのテンションを切り替え、遠く離れた管理棟で水を分けてもらい、寒空の下で薪に火を付けて事なき得ることができたのだが、冬の厳しさを教えられた初心者キャンプであった。
<教訓>
冬のキャンプはテントや車内で水(食材)を保管し、寒冷地対応ガスを用意せよ。
まとめ
つねに危険を予想して行動することが「冬キャン」のお約束!
冬のキャンプは一般生活では忘れてしまった自然の厳しさが味わえる一方、その厳しさが大きな事故を招くこともある。キャンプでは「何事も経験」と言うものの、命を賭けてまで行うものではない。
ここで紹介した3つの実体験以外にも、冷え込むテント泊に耐えられずクルマに逃げ込んだことや、車中泊ではドアのウェザーストリップ(ドア用の密閉ゴム)が寒さで張りついてしまい車外に出られなくなるなど経験もしている。
友人には車中泊で目が覚めたら雪に埋もれていた……などの話もあり、冬のキャンプは危険が隣り合わせに存在していることを忘れてはならない。自然と対峙するキャンプは自己責任ではあるものの、万が一の場合には多くの人に迷惑をかけてしまう。つねに気持ちを引き締め、万が一の危険に備える心構えを持って冬キャンを楽しんでほしい。