良くも悪くも大味感がヤンチャで刺激的だった!
【三菱ミラージュ サイボーグ/C53A型】
三菱ミラージュサイボーグ(C53A型)は1987年に登場した。他社の1.6LクラスがDOHC化していくなかで、三菱もギャランGTO MR以来の1.6Lツインカムエンジン「4G61型」を投入。しかもNAだけでなくターボモデルも用意し、空冷インタークーラーターボはクラストップの145psをマークした。さらにマイナーチェンジ後は160psにまでパワーアップし、動力性能はピカイチだった。
シャーシ面でも、ダンパーの減衰力調整機能に加えてスタビの特性まで可変するデュアルモードサスペンションを世界で初めて採用。新技術満載の一台だったが、バランスやセッティングの仕上がりは甘かった印象……。
ワンメイクレースのミラージュカップもこのクルマで行われ、ベテランと新人が入り乱れて腕を競い合い、けっこう見応えのある熱いレースが繰り広げられていた。当時販売価格167万円(16V-T/東京地区)。
デ・トマソも凌ぐ動力性能とシャーシのバランスがピカイチ
【ダイハツ・シャレードGTti/G100型】
最後はダイハツのシャレードGTti。ダイハツのボーイズレーサーというと、2代目シャレードのシャレード デ・トマソ(G11型)が有名だが、1987年デビューの3代目モデル、G100型シャレードのGTtiも忘れてはならない。このクルマは1L 3気筒DOHC+インタークーラーターボのCB70型エンジン(105ps)を積んでいて、最高速やゼロヨンではクラス最速をマークしている。
シャレードGTtiをあえて選んだのは、動力性能だけでなくシャーシ性能も優れていた点。この3代目から4輪独立サス(4輪ストラット)になり、ブレーキもこのクラスでは珍しく4輪ディスクブレーキ(フロントはベンチレーテッド)を採用。タイヤはピレリP6でコントロール性もよく、ボディ剛性もしっかりしていたので、ハイパワーにも関わらずどこでも踏んでいけるクルマだった。
サファリラリーではクラス優勝はもちろん、総合でも5位、6位、7位に入り、『リトル・ジャイアント・キリング・カー』と呼ばれた傑作車だった。当時販売価格137万3000円(東京・大阪・名古屋・岡山地区)。