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「シビック」に「ローレル」「5シリーズ」! 2022年でデビュー50周年を迎えるクルマ7選

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TEXT: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)  PHOTO: 本田技研工業/ルノー/BMW/アウディ/トヨタ自動車/日産自動車/メルセデスベンツ

その5 トヨタ・マークII(2世代目X10および20型)

「コロナマークII」だった初代から「コロナ」の名を遠慮気味ながらも省き始め、「マークII」と名乗り始めた2世代目は1972年デビュー。上位機種のクラウンから持ってきた2L直6エンジンや、1.8Lの直4をDOHC化したハードトップを擁するFRという意欲作だったが、当時は「日産ローレル」という強力なライバルに対して分が悪かった。

「ツインキャブ」とか「DOHC」といった過激なキーワードに対し、モデルライフ初期に「石油ショック」で冷水を浴びせられたのに加え、プチ高級感が求められる当時の雰囲気にやや乗りそこねてしまった。とはいえ、コンサバでありながらツインカムのようなハイメカニズムに積極的で、少しやんちゃエレガントな大人っぽさを併せもつ。そんなドメスティックなアッパーミドル路線は、「マークX」を経て今日の「アルヴェル」や「ハリアー」あたりを筆頭に、連綿と受け継がれているといえよう。

2代目トヨタ・マークII

その6 日産ローレル(2世代目C130型)

 マークIIがコロナをベースとするプチ高級&スポーティ路線だったように、日産では「ブルーバード」のエクステンションとして生まれた「ローレル」も、1972年に2世代目へと生まれ変わっていた。当初から「ハイオーナーカー」をコンセプトに掲げ、バンやワゴン系をもたず、スポーティな「スカイライン」と基本設計を同じくする戦略は、スポーティ・エレガントなスペシャルティとしての血統を印象づけた。

 デビュー翌年に満を持して投入された2.6L直6である「L26」型が、SOHCにシングルキャブで140psだったあたりも、余裕を感じさせた。左右両端の凹凸エッジを強調したリヤエンドと、バンパーに一体化マウントされたリヤランプのような、わかりやすく特徴的なデザイン処理も流石だった。やんちゃな兄さん姉さん衆に熱烈支持された、在りし日の日産のベースとなったという意味で、サブカル的価値は高い。

2代目日産ローレル

その7 メルセデス・ベンツSクラス(W116)

 それまでも「280S」とか「300SEL」と名のっていたモデルはあったが、公式に「Sクラス」という名をラインアップの最上位として定めたのは1972年に登場した「W116」から。従前の「W108」や「W109」が、縦目ヘッドライトと「ヘックフロス(フィンテール)」というあだ名の由来たる50年代的ディテールを特徴としたのに対し、キレよく伸びやかでモダンなフラッグシップをデザインしたのは、のちにBMWに移籍することになるポール・ブラックだった。

 衝突時に乗員の生存空間を確保するセーフティセル構造や、できるだけ突起物のないスイッチ類にウレタンパッドに覆われたダッシュボード、長時間座り続けても足先の血行を妨げないため前方をソフトにしたシートなど、メルセデス・ベンツの先進的な安全思想を体現した。一方で「450SEL 6.9」という、6.9Lの大排気量V8をインジェクション化して286psとした怪物モデルも擁し、シリーズ通算で48万台近くというヒットを記録した。

メルセデスベンツSクラス(W116)

12
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