見た目の綺麗さよりも中身を重視するべし
続いては、車両のコンディションに関する注意すべきポイントを挙げてみたい。レースカーに街乗り用のクルマと同レベルのキレイさを求める人はいないと思うが、フレームなど走行に支障のある部分に及んでいない傷や凹み程度は気にしないこと。外装より注目したいのは機関部のコンディション、そして付属するスペアパーツの量やレースの戦績だ。
参加者がエンジンを勝手に開けられないレギュレーションのレースは別として、昔ながらのN1であればオーバーホールした時期やそれから参戦したレースの回数も。いくら「超有名なエンジン屋さんで大金をかけて作りました」といっても、それが10年も前だったり何シーズンもフル参戦していれば、組んだ当初のポテンシャルを期待できるワケがないのは自明の理。
またレースは説明するまでもなく各部の消耗が激しいし、セッティングのため複数のホイールやスプリングが必要となる。それらを新品ですべて買い足せばかなりの出費になってしまうため、車両の価格が少し高くてもスペアパーツがたくさん付属しているほうが、結果としてリーズナブルにレースに参戦できる可能性が高い。
こだわれるなら戦績も。シリーズチャンピオンを獲得したようなレースカーなら、セッティングは決まっており戦闘力が保証されているようなモン。自分の乗り方に合わせて手直しする必要はあるにせよ、実績のないレースカーを仕上げるよりはるかに近道だ。
いずれにせよ普通のクルマを購入するときと違い、年式や走行距離はそれほど気にする必要はなく、事故歴もよほど激しいクラッシュでなければ大目に見ていいと思う。レースカーが一般的な中古車店に展示されることは少ないので、個人売買やモータースポーツ系プロショップなどでアンテナを張って、レースを楽しむ最高の相棒と出会ってほしい。