【スバル】
ピンナップといえば、スバル(当時は富士重工)のパンフレットは4つ折りだが、そのうちの2面が、いかにもレトロな一糸纏わぬ女性の姿が(白い布を抱えたポーズではある)。確かスバルのパンフレットは、このパターンが何年か続いたと記憶している。
手元に残っているパンフレットはおそらく1972年のもので、レオーネクーペ1400とマイナーチェンジ版のR-2 の扱いが大きい。ほかにサンバー、1300の各モデル、110バンなどが載っている。
【三菱】
三菱は、少し新しい年代のパンフレットが残っていた。センター見開きで1000湖ラリーのランサー2000ターボの雄姿が載っているので、恐らく1982年のものと思われる。そういえば、このカラーリングのトミカはどこへ行ったのだろう……というのは筆者の独り言である。
もう1冊、三菱のパンフレットを。文面には“三菱と自動車のつながりは、今からちょうど55年前(大正6年、1917年)、イタリアの「フィアット」車を参考にして「三菱A型」が完成され……”とあり、計算すると1972年のパンフレットだったことがわかる。乗用車系のカタログには、ギャランGTO、ギャランクーペFTO(これが正式名だった)、初代ギャラン(マイナーチェンジ後)、初代デボネアなど、当時を知っていれば涙モノの懐かしいモデルが並ぶ。クライスラーとの関係があったことからクライスラー・チャージャーなども。
【ダイハツ】
ダイハツも大判のパンフレットが残っているが、コチラはホンダとは違ってふたつ折りにはせずに残っていた。これもまた何年のものかの記載がないが、掲載車種から判断すると1971年、1973年のものと思われる。
1971年のほうには、広い室内空間を売りとしていたフェローMAXの2サイクルエンジン車をメインに、ハードトップも掲載。ほかに2代目トヨタ・パブリカと兄弟車だったコンソルテも。1973年のパンフレットでは初代スターレットの兄弟車だったコンソルテクーペと4ドアが、旧型の2ドアとともに載っている。イメージキャラクターにタレントの小島みき、女優の島田洋子が起用されていたのだが、今の人にはおわかりにならないだろう……。
【スズキ】
最後はスズキ。4つ折りのパンフレットを広げると、片側は全面を使ったポスターになっている。LJ20型ジムニーと、サイケな感じの衣装のモデルの組み合わせ。草原のような場所で撮影された、いかにも70年代な感じがステキである。
……などといいながら、どうやらこのカタログは商用車版のようで、載っているクルマはキャリイ・トラックの一方開きと三方開き、スライドバン、それとフロンテ・バンさらに“水冷新発売”とあるジムニー。
ジムニーには、情報化時代を先取りする動くビデオとして“ビデオジムニー”なるクルマの写真が載っているが、これはショーカーとして展示されていたクルマだったかどうか、記憶がなく、ナゾである。スズキはほかに、二輪、船外機、スノーモビルといった自社製品も裏面で紹介している。
こうしてパンフレットを眺めていると、やがて気持ちが当時にタイムスリップしたような感覚になる。前編でも書いたが、本当に国産車が活き活きとしていた、いい時代だった。