さっさと設営&撤収! 浮いた時間で楽しもう!
ワンタッチでポンと展開する「ポップアップテント」はお手軽に設営できるアイテムだが、いわゆる「映え」や「玄人感」にとぼしいせいか、あまりメディアではフィーチャーされていない。
そこで「頑張らないキャンプ」歴10年、ポップアップテントで真夏も真冬もキャンプしている記者から、ポップアップテントでのキャンプの楽しみ方をご紹介したい。
「寝床」はさっさと確保して遊ぶ時間を増やしたい
キャンプ場でときどき見かけるのが、アウトドア初心者と思しき人が、いきなり凝った構造のテントを持ってきて悪戦苦闘、連れはイライラ……というケースだ。広々と快適なドーム型テントや、お洒落なティピーテントに憧れる気持ちはよくわかるけれど、最初から背伸びした結果、ツラい思い出になってしまっては元も子もない。
数年前ベルギーでクラシック・フォルクスワーゲンのキャンプ集会を訪れた際にビックリしたのが、圧倒的多数がワンタッチ式の「ポップアップテント」だったこと。
で、ヨーロッパ中から集まってきたVWオーナーたちは「ポップアップテント」で寝床を手早く確保したら、あとはグループ共同で大きなタープやテントを張って、そこでバーベキューと宴会に明け暮れるという流れ。
わが国ならもっと「凝った」テントサイトを志向しがちなのだが、それより「とっとと酒飲もうぜ!」と、割り切りまくったキャンプスタイルにヨーロッパ文化の合理性を垣間見たのだった……とはさすがに言い過ぎか。
フェスからソロキャン、寄生キャンプとステップアップ(?)
記者がキャンプするようになったのは10年前に野外音楽フェスに参加したのがきっかけだ。生来モノグサなので「ケシュア」のポップアップテントと寝袋だけ買い、クレジットカードのポイントをアウトドアチェアに交換しただけの装備だった。
フェス会場なので食べ物は屋台で調達することができ、まさしく単なる寝床のみでも快適。意外と通気性も確保されているし、土砂降りが来ても大丈夫だし、「1人ならこれで十分」と学習してしまったのだった。
翌年の同じフェスでは、お湯だけでも自分で沸かせるとコーヒーやカップ麺など調達できて便利だと、ミニマムな折り畳みテーブルとガスバーナーを追加。熱源があることのありがたみを知る。
さらに次の年、ついにタープを導入して、日光にも雨にもわずらわされない快適なキャンプサイトが実現した。このケシュア製ポップアップテントは2名用となっているが、大柄な成人男性ひとりだとかなり広々と寝ることができる。そこらのカプセルホテルより快適な気がする。2名であれば、3名用~4名用を選べば、寝床としては十分だろう。
ソロキャンとしては必要最低限にして快適なアイテムを揃えて、これで冬季キャンプまで行くようになった記者。テントの中に敷くマット類や寝袋プラスアルファの毛布などを整えることで、寒さにはいくらでも対策できる。この辺は、荷物の制約がゆるいクルマ移動ならではのメリットだ。
なおアウトドア料理については早々に向上心をなくし、酒やツマミを多めに持って行って知り合いのサイトに合流する「寄生虫スタイル」のキャンパーである。そこは個々人の趣味と人生観によるところだろう。
また、冬キャンは上記の装備だけだと本当に寒くてツラいだけなので、知り合いの大型テントに身を寄せている。もちろん設営と撤収はお手伝い。友だちは大事だ。