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懐かしの「水中メガネ」! 軽自動車初のスペシャリティ「ホンダZ」が先進的過ぎた

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: ホンダ/原田了

水冷エンジン、ハードトップへ 

 1971年6月、Nシリーズが後継のライフにバトンタッチすると、半年後にはこれを追うようにZも水冷のEA型エンジンにコンバート。これもライフに倣って80mmホイールベースを延長していましたが、フロントタイヤが前進し、ラジエーターグリルが少し大きくなった程度で、エクステリアデザインには大きな変更はありませんでした。さらにその1年後には、基本的なエクステリアデザインを変えることなく、Bピラーを取り去ってハードトップに変身しています。ピラーレスのハードトップに進化

 水冷エンジンにコンバートされマイルドになったと、多くのマスコミでは強調されていましたが、そこはホンダの2気筒エンジン。気持ち良い吹き上がりは空冷エンジンのそれと比較しても遜色ないものでした。

 その一方で、ヒーターの利きが各段に強力になると同時にオイルの匂いもなくなって、随分モダンになったもんだと、知人のハードトップに試乗して感じさせられました。水冷エンジンに乗せ換えたZは、ライフとともにホンダの軽乗用軍団として快調な販売を続けていました。しかし、72年にリリースした小型乗用車、シビックの販売台数が増えてくると、その生産キャパシティを確保するために狭山工場におけるライフの生産ラインがシビック用に変換されすることになり、74年の10月には生産を終了しています。

1998年には2代目が復活登場

 74年の10月に初代モデルの生産が終了したZは、それから四半世紀を経て98年に復活を果たします。以前にも紹介しましたが、これはホンダの“昔の名前で出ています”プロジェクトのパート2で、3代目のライフと同時にデビューしています。2代目Z

  ただしそのパッケージは驚くべきものでした。直列3気筒のE07Z型エンジンを縦置きに、進行方向に向かって左にオフセットして搭載。前後に伸びたプロペラシャフトで前輪と後輪を駆動する4輪駆動としたのです。偉大なる初代に勝るとも劣らない存在感のあるモデルでした。今回はその触りのみを紹介し、また別の機会をみつけて詳しく紹介していこうと思います。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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