クルマ好き同士の会話でよく聞くフレーズ
歴史のある車種の新型が登場したときによく聞かれる「こんなの○○じゃない」、「昔の○○の方が良かった」という声。新型モデルの方が安全性能も快適性脳も動力性能も向上しているケースがほとんどなのに、どうしてこういった声が聞かれるのだろうか?
当時乗っていたり憧れたクルマの印象が強く残っていることが多い
その理由として挙げられるひとつが「思い出補正」だろう。昔のモデルの方が良かった……と嘆く人の多くは現在進行形でその旧モデルに乗っているケースは少なく、そのモデルのデビュー当時のセンセーショナルな印象だけで語っている場合が多く見受けられ、思い出補正が強いのだ。
また実際に乗り比べて判断しているケースもあまりなく、最新モデルに脊髄反射的に拒絶反応を示しているケースも珍しくないようだ。
とくに先進装備アレルギーの人の多くは、実際にそういった装備を体感したことがないことも。ただ単に否定しておけば、わかっている感を醸し出せるという浅はかな考えが透けて見える人も散見される。
もちろん実際に乗り比べた上で昔の方が良かったという人もいるが、それはアナログレコードやフィルムカメラを愛用している人と同じく、「不便を楽しむ」ことをしているだけ。マニアではない一般ユーザーも多く存在する自動車すべてが、アナログなものになってしまっていいわけではない。某有名人の言葉を借りれば「それはあなたの感想ですよね」というヤツだ。
毛嫌いせずにそれぞれの良さを楽しみたい!
100%趣味の世界で楽しむのではあれば、アナログな昔の方がよかったというのも頷ける。だが、多くの一般ユーザーが行きかう公道を走行するのであれば、快適かつ安全な最新モデルがいいに決まっている。さらに、そもそも法律自体が標準で安全装備を備えるように改訂されていることを考えれば、昔の方が良かったというのは幻想であることがわかるだろう。
たしかに昔のクルマのように、電子制御や安全装備が備わらないシンプルなクルマは乗っていて楽しいというのは同意できるが、個人の趣味趣向だけで最新モデルを全否定するのはナンセンス。「これだからマニアは……」と言われないためにも、広い視野で物事を考えたいものである。自戒の念も込めて……。
※写真はすべてイメージです。