積極的にドライブに出かけたくなるクルマこそ「幸せ」
「幸せ」のあり方は人によって異なるが、クルマの側面から見ると「外出したくなるクルマ」と定義付けられる。この要件としては、運転の楽しさ、快適性、利便性などが挙げられる。見栄を張れる代わりに、街なかで運転しにくかったり、使い勝手の良くないクルマはダメだ。
価格や維持費も大切。ローンの返済が頭から離れないようでは、幸せになれない。経済性も大切な要素になる。そこで「幸せが待っているSUV」のベスト3を考えたい。前述の理由に基づき、価格は300万円以下で、ファミリーで幸せに使えるクルマを選んだ。
運転のしやすさと上質な居住性を両立するe:HEVがオススメ
【ホンダ・ヴェゼル】
全長4330mmのボディは視界が優れ運転しやすいヴェゼル。街なかでも使いやすく、上質な内装も含めて、雰囲気が明るいために外出が楽しくなる。居住性と積載性も注目される。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシふたつ半に達する。
前後方向の余裕は全長4606mmあるCR-Vと同等だ。燃料タンクを前席の下に搭載したことで後席は床面へ落とし込むように小さく畳むことができ、荷室の使い勝手も優れている。
パワーユニットの主力はハイブリッドの「e:HEV」で、モーター駆動が中心だから加速は滑らかだ。乗り心地も快適で、幅広いユーザーに適する。お買い得グレードは「e:HEV・Z・2WD」(289万8500円)だ。
5万6000km走れば燃料代で価格差を相殺できてお買い得!
【トヨタ・カローラクロス】
2021年11月には月間登録台数7300台を記録して、SUVの最多販売車種になったカローラクロス。人気の秘訣は、SUVの典型とされるボディスタイルと、優れた実用性だ。
後席の足元空間はヴェゼルに比べて少し狭いが、後席を使った状態での荷室長(荷室の奥行寸法)はタップリしている。リヤゲートの角度も立てたことから、大きな荷物も積みやすい。その一方で全長は4500mm以下だから、街なかでも運転しやすい。
パワーユニットは1.8Lのガソリンエンジンとハイブリッドを設定。ハイブリッドのWLTCモード燃費は26.2km/L(2WD)だから、ガソリンエンジンの1.8倍になり、燃料代を約半額に節約できる。
またハイブリッド車とガソリン車の価格差は、売れ筋グレードの場合で35万円に抑えている。一般的にハイブリッド車はガソリン車よりも37〜60万円ほど高く、その意味でカローラクロスは割安だ。また、ハイブリッド車は購入時の税額も安く、レギュラーガソリン価格を160円/Lで換算すれば、約5万6000kmを走ると燃料代の節約によって価格差を取り戻せることになる。この維持費の安さも、幸せの大切な要素だ。お買い得グレードはハイブリッドZ・2WD(299万円)だ。
全車AWDを採用した走破性が魅力のクロスオーバーSUV
【スバルXV】
XVはインプレッサスポーツをベースに開発されたクロスオーバーSUVだ。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は200mm確保され、悪路などのデコボコも乗り越えやすい。全車が4WDを搭載するから走破性能も優れている。
全高は1550mmだから立体駐車場が使いやすく、ボディサイズは全長は4485mm、全幅も1800mmに抑えられている。混雑した道路でも運転しやすく、都市部のユーザーにとっては貴重なSUVになっている。
また、ボディがコンパクトなわりに居住性は快適で後席も広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシふたつ半ほど。足元スペースはヴェゼルと同等の余裕を見せる。
エンジンは水平対向4気筒の1.6Lと2Lで、後者はモーター駆動を併用するe-BOXERだ。動力性能に余裕があり、現行型はプラットフォームの刷新により、乗り心地と走行安定性も向上させた。4WDを搭載しながら、価格は割安に抑えられている。お買い得グレードは2.0e-Lアイサイト(265万1000円)だ。