クラシックVW乗りたち恒例のチャリティー・イベント
数ある旧車のなかでも、大小のイベントの多さではトップクラスと思われるクラシック・フォルクスワーゲン。そんなVWオーナーたちの1年を締めくくるイベントとして定着しているのが、「Santa’s Lil’ Helper(サンタズ・リトル・ヘルパー)」、すなわち「サンタの小さなお手伝い」と銘うったチャリティー・ミーティングである。ほかの車種や地域でも広がっていってほしいこのイベント、じつはアメリカ・カリフォルニアが発祥だ。
カリフォルニアの名門VWクラブが始めたクリスマス行事
アメリカ・カリフォルニア州は自動車文化が盛んな土地柄で、クラシックVWの愛好家も非常に多い。そんな南カリフォルニアの名門VWクラブ「Der Kleiner Panzers(デア・クライナー・パンツァーズ、以下DKP)」が始めた「Santa’s Lil’ Helper Cruise(サンタズ・リトル・ヘルパー・クルーズ)」は、「サンタの小さなお手伝い」といった意味。
クリスマス前にクラブのメンバーみんなで集まって、恵まれない子どもたちへのプレゼントをそれぞれ持ち寄り、とりまとめて施設に寄付しようという趣旨のチャリティーイベントだ。毎回、参加者にはその年ごとにデザインが異なるマグネット・プラークが配布され、コレクションするのを楽しみにしている人も多い。今回の2021年で17回目を数え、12月5日に開催された。
日本でも子どもたちの笑顔のためにプレゼントを積んで集合
わが国では、本場DKPのクラブメンバーである“Nao”藤田氏がアメリカから帰国してVWでドラッグレース活動をしており、その縁もあって、VWのドラッグレース団体「staginglane.net」が2010年末から「サンタズ・リトル・ヘルパー・クルーズ」を開催するようになった次第だ。カリフォルニアのDKPから、現地と同じマグネット・プラークも送られてきて、先着順でもらうことができる。
カリフォルニアのDKPによる「サンタズ・リトル・ヘルパー」は夕方の開催だが、日本版は1週間後の12月12日(日)朝9時に集合。今年の会場は東京都江東区の若洲公園駐車場で、首都圏から数十台ものクラシックVWが集まってきた。
この日に集められたプレゼントはすべて児童養護施設「聖フランシスコ子供寮」に寄付される。献品は乾麺、缶詰、飲み物、おやつなど日持ちのする食べ物や、未使用の文房具など。参加者たちは子どもたちが喜ぶ顔を想像してチョイスしたプレゼントを受付に手渡していった。
なかには愛車をトナカイ仕様にドレスアップしてくる人や、サンタの格好をしてくる人も。誰もが「小さなサンタ」になって、善意をちょっとずつ持ち寄るのだ。