SSS-Rで2度にわたり綾部美津雄が全日本チャンピオン獲得
全日本ラリー選手権への投入は1988年の初戦、氷雪との戦いとなるDCCSウインターラリーからだった。日産系ユーザーにとって待ちに待った車両だったが、なかでも注目の存在は、フルチューンTE27レビン/トレノの時代からその人ありと言われた綾部美津雄だった。綾部は、1980年からラリーが組織化され、全日本ラリー選手権が設立されて以降、1986年にレオーネ4WDを駆って全日本チャンピオンを獲得していた。その綾部、ブルーバードSSS-Rがリリースされた1988年シーズンから同車に乗り換え、見事にこの年のチャンピオンを獲得する活躍を見せた。
翌年は2L4WDターボのギャランVR-4が登場し、排気量の差がもたらすスピード勝負に負けたわけでもなかったのだろうが、残念ながらタイトル獲得はならなかった。そして1990年、SSS-Rの搭載エンジンが1.8LのCA18DET-Rから2LのSR20DETに換装されると、ふたたび綾部美津雄は全日本チャンピオンを獲得。
U12型ブルーバードSSS-Rは、ラリーカーとして必須要素となる優れた車両バランスを持ち、これに強力な4バルブDOHCターボエンジンと前後駆動力配分の変化が可能なATTESA方式の4WDの組み合わせにより、「ラリーのブルーバード」に再び栄冠を取り戻させた救世主、傑作車と言ってよかった。