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それ、クルマが狭いんじゃなくて「荷物」が多過ぎなのでは?「冬キャンプ」成功のカギは「断捨離」にあり

ラゲッジルーム(荷物)

「ラゲッジが狭い」のか「荷物が多過ぎるのか」その解決策は!?

 先日、キャンプを始めたばかりの友人から「荷物が多くてキャンプに行くのが面倒になってきた」と相談された。話を聞けば近所のキャンプ好き家族は、コンパクトカーでも涼しげな顔でキャンプを楽しんでいるらしいのだが、友人の家ではミニバンにも関わらずキャンプ道具が多過ぎて、窮屈な移動をしているのが不満らしい。

 この話は個人的なお悩みのように聞こえるかもしれないが、意外と同じ思いで困っている人も多いのではないだろうか? ここでは友人の荷物チェックをしながら、キャンプの道具の断捨離と道具選びについて考えてみたい。

道具が増えればラゲッジが狭くなるのは当たり前!

 キャンプ道具がもっとも増える季節が「冬」であり、春、夏、秋の3シーズンと比較して暖房器具や分厚い防寒着がスペースを圧迫してしまう。さらに初心者にありがちなキャンプ道具の選択ミスも荷物を増やす原因になる。キャンプ道具の多さを相談してきた友人はキャンプの楽しさにハマり、時間があればアウトドアショップやリサイクルショップを巡り、夜はメルカリやヤフオクでお手ごろなアイテムを買い続けているらしい。

 その結果キャンプ道具が増え続け、収拾がつかなくなってしまったという。まさに「キャンプ初心者あるある」だが、この現象はキャンプ上級者であっても抜け出せない底なし沼なのかもしれない。まずは友人宅を訪ねてキャンプ道具を見せてもらうと、「セルフグランピングに行くの?」と思わせる道具の数々が並んでいた。コンパクトなミニバンで苦労するのが当たり前の品々が並べられ、どう考えてもラゲッジの許容量を越えていた。

【キャンプでやりがちな荷物が多いワケ:01】

「シュラフの選択ミスがラゲッジスペースを圧迫する」

 最初に目に入ったのがシュラフの選択ミス。家族4人分として用意されていたシュラフ(寝袋)は封筒型であり、クルクルと丸めてはあるのだがひと抱えもある4組のシュラフが、ラゲッジを占領するのは当たり前のこと。大型のミニバンやSUVならば問題はないのだろうが、コンパクトなミニバンに乗っているのならコンパクトに圧縮できるマミー型を選ぶべきである。

【キャンプでやりがちな荷物が多いワケ:02】

「コンロやバーナー、ランタンに使う燃料を統一する」

 次に問題点として露呈したのがコンロやバーナーの選択ミスだ。OD缶を使うシングルバーナー、CB缶を使うカセットコンロ、ホワイトガソリンの2バーナー、そして焚火台……。それぞれを見れば魅力的なギアではあるのだが燃料を別々に用意しなければならず、燃料のスペースも無駄になる。

 燃料を共有できるギアに統一するか、2バーナーがあれば事が足りてしまうシングルバーナーとカセットコンロを持ち物リストから外すのも良いだろう。または焚火台は暖を取るだけでなくBBQや調理にも使用できるので、思い切って焚火台だけに絞るのも賢い選択になるはずだ。

【キャンプでやりがちな荷物が多いワケ:03】

「大きなクーラーボックスは諸刃の剣になることも」

 次に気になったのが大型のクーラーボックス。家族でのBBQを考慮し、沢山の食材を持ちこみたいのは理解できるのだが、スペースを占領する大型のクーラーボックスは諸刃の剣になる。ラゲッジスペースを有効に使いたいのであれば、折り畳めるソフトクーラーに変更し、現地で食材を仕入れることで問題は解決するはずだ。

 とくに気温が低い冬キャンプでは食材の痛みが遅いこともあり、ハードなクーラーボックスの必要性はそれほど大きくはない。

【キャンプでやりがちな荷物が多いワケ:04】

「ラゲッジの積載量に合わせてチェアを選ぶことも大切」

 最後の問題はフォールディングチェアのセレクトだ。友人が手に入れたのはクラシカルな雰囲気が漂うウッドフレームのチェアが4脚。確かにウッド製のチェアは「映え」だけでなく座り心地も良いのだが、オートキャンプ場をメインに利用する友人なので、快適に休憩したいのであればクルマのシートでも十分。コンパクトに折り畳めるフォールディングチェアを選択することで、荷室スペースを大きく圧縮できるはずだ。

まとめ

 そのほかにもテーブルの数が多いことや、インフレータブルのエアーマットとともにコットを用意しているなど“突っ込み所”が満載ではあったが、用途が重なるギアを絞ることに加えて、クルマのラゲッジ容量ありきでギアをセレクトすることを進言させてもらった。

 もちろん、テントやタープはキャンプの必需品であり、この2アイテムは嵩張ろうとも外すことはできないが、そのほかのアイテムは優先順位をつけてセレクトを行えば、おのずと携行するべきギアが絞れるはずだ。

 いまや「売って買う」が当たり前の時代を迎え、リサイクルショップもキャンプ道具やアウトドアグッズの買い取りを積極的に行っている。不要なものがあれば個人売買サイトを利用して断捨離やキャンプ道具の選択を見つめ直すのも賢い方法だろう。

 しかし、物欲に溢れる友人の場合、クルマを買い替えるのが一番の解決策になると思ったのだが、友人の背後で話を聞いている奥さま(仁王立ちで)の視線が気になり、その言葉だけはそっと胸にしまっておいた。

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