便利なオールシーズンタイヤだがその性能の理解して装着すべし
冬本番となり、高速道路は降雪によるチェーン規制となることも増えてきた。しばらく前まで「冬用タイヤはスタッドレスタイヤ一択」という認識が強かったが、ここ数年、冬用タイヤとしても使えるオールシーズンタイヤという新しい選択肢にも注目が集まっている。ここではオールシーズンタイヤの特徴と正しい使い方を解説していく。
国内外のタイヤメーカーからさまざまなオールシーズンタイヤが登場
オールシーズンタイヤは、もともと平均スピードの高いドイツのアウトバーンを走る際など、スタッドレスタイヤではドライ&ウエット性能が対応できないため開発された、文字通り冬場にも対応するタイヤだ。日本で販売されているオールシーズンタイヤは、横浜ゴム・ブルーアース4S AW21、ミシュラン・クライメイトシリーズ、グッドイヤー・ベクターフォーシズンズハイブリッド、ネクセン・エヌブルー4シーズンなどがある。
オールシーズンタイヤの具体的なポジションは、「雪道にも対応するサマータイヤ」といったところで、ドライとウエット性能は一般的なサマータイヤと同等。雪道は降り始めの新雪路、クルマに踏み固められた圧雪路、雪に水分が混ざったシャーベット路ではスタッドレスタイヤに近い性能を持ち、高速道路のチェーン規制にも対応する。
ただ、アイスバーン路への対応は弱い。路面凍結に対してはさまざまな新技術を盛り込み、新製品が出るたびに性能が格段に向上しているスタッドレスタイヤには及ばない。そのためオールシーズンタイヤでアイスバーンに遭遇してしまったら、スピードを下げたうえで細心の注意が必要だ。
サマータイヤからの履き替え不要というメリットは大きい
こうしたことを総合したオールシーズンタイヤがマッチする使い方は「突然の雪に対応したい」というエマージェンシー的な用途がメインと考えられる。
そうした使い方であれば、オールシーズンタイヤは性能のバランスが良く、シーズンごとの履き替えや外したサマータイヤの置き場に困ることも不要などと、全体的に都市部をはじめとした雪が滅多に降らない地域にユーザーには向いていると言える。
万能に思えるオールシーズンタイヤも凍結路面は注意が必要だ
対照的に「スキー場など降雪地によく行く、雪が降る頻度がそれなりにある」というユーザーの場合は、前述したアイスバーンへの備えも含めて、スタッドレスタイヤを装着するべきというのが結論だ。