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衝動買いは絶対にNG! 旧車のスペシャリストが断言する「失敗しない旧車選び」とは

C130型ローレル

憧れだけでは所有することはできない旧車選びのポイントとは

 旧車高騰で、本来の旧車好きでない層からも注目を浴びているし、ショップもほかのジャンルからの参入が多かったりする。そうなるとますます「旧車は素敵」的な感じになってしまっているのが現状で、程度のいいものが多い印象すらある。

 そもそも旧車とは古いクルマなわけで経年劣化の影響を受けまくり。部品の入手もままならないし、最近は職人不足でボディの切った貼った、叩き出しもどこでもできるものではないだけに、世の中に程度のいい旧車が多く存在するというのはありえないと個人的にも思っている。もちろん程度のいいものは存在はするので、要は買う側がしっかりと見極めるのが大切ということになる。今回は失敗しない旧車選びのポイントを整理してみた。

【失敗しない旧車選びのポイント:01】

兎にも角にもショップ店選びが大切

 レストアの世界にも、個人でなんでもやるプライベーターと呼ばれる猛者がいて、グサグサの個体でも仕上げてしまう。つまりベースの程度はよくなくてもいいのだが、これは例外で、素人には無理。一般的にはショップで購入することになる。

 となると店の言うことがすべてなわけで、在庫に関しての注意点などをとにかくしっかりと説明してもらうことが大切だ。できるなら、リフトアップしながらだとベストだ。逆に「ちゃんとやってあるから信じろ」的なところは避けたほうがいいだろう。

 ネットの口コミなども含めて、とにかく情報収集が大切である。また、特定の車種に絞った専門店のほうがいいし、開業してどれぐらいかも聞いてみるといい。評判が悪ければ、長くはできないのが旧車業界だ。

【失敗しない旧車選びのポイント:02】

ショップの選定時にパーツ供給状態もチェックする

 店選びと被るが、ある旧車専門店の代表が「専門店の存在意義はパーツ供給だ」と言っていて納得したことがある。復刻バーツが持て囃されるとはいえ、基本的にはとにかくお寒いのが日本車の部品供給。

 専門店であればそれに対応すべく、ストックしていることが多い。ただ、昨今の状況を受けて「パーツだけの販売はできないし、もっと厳しくなれば自分のところで買ってくれた車両にしか供給できないかも」といった感じだ。購入時に関しては事前に部品やメンテナンスについてのフォローを確認しておこう。

【失敗しない旧車選びのポイント:03】

クルマ選びと合わせて車種ごとのパーツの供給状態を知っておく

 さらに「いつまでもあると思うな親と部品」と心得て、消耗品を中心にストックするのはオーナーの努めだが、そもそも購入を検討している部品の供給状況は調べておきたい。最近はリプロ(復刻)に力を入れているショップやメーカーもあるが、基本的には人気車種向けが多い。

 商売としては当たり前で、マニアックな車種だと純正、リプロ、中古品ともに絶望的だったりする。猛者なら逆にやる気が湧くかもしれないが、強い思い入れがないならまずは人気車種を狙ってみたほうがいいだろう。

【失敗しない旧車選びのポイント:04】

エンジン始動はもちろんアイドリングや吹けも必ず確認する

 最近のクルマなら、ごまかしはあるにしてもかけなくても想像はつくもの。一方、旧車の場合は程度はバラバラだけに絶対にかけてもらおう。もし無理な場合、その理由(分解中など)に納得できなれければ避ける。

 慣れていないと旧車のエンジン音を聞いただけで舞い上がってしまうかもしれないが、異音や白煙は出ていないか。アイドリングは安定していて、吹き上がりはスムースかなど、細かくチェックする。気になる場合は説明を求め、買うにしても修理や改善を依頼しておく。ただ知り合いで、新品への交換を約束しておきながら、中古品が付いていた例もあるので油断は禁物だ。

【失敗しない旧車選びのポイント:05】

後悔しないために可能なら試乗をしっかりしておく

 エンジンをかけるチェックの延長線にあるのが試乗だ。走らないとわからないことはたくさんあって、ミッションの入りやブレーキの効き、足まわりやボディからの異音など、あらゆる点に注意して試乗する。

 最初は基準がわからないかもしれないが、台数を見たり乗ったりしているとわかってくるはず。「旧車だからこんなもんですよ」には騙されるなかれ。旧車だって現役当時は普通にみんなが乗っていたクルマなのだ。

【失敗しない旧車選びのポイント:06】

ボディの錆や腐食は徹底的にチェックしておくべし

 旧車最大の懸念がボディだ。「メカを直すのは簡単だけど、ボディがダメだと費用も手間もかかる」というのは旧車の基本。サビや腐食などは出ていないかなどを徹底的に見たり、説明してもらう。

 車内ならカーペットを剥がして、下まわりも覗き込む。それでもなんとでもごまかせるのが旧車だが、見ないよりは見たほうが絶対にいい。

【失敗しない旧車選びのポイント:07】

アフターメンテをどこまで面倒見てくれるかも確認する

 認証工場併設ならいいが、オイル交換程度、つまりピット的なところもある。程度のいい個体を購入しても、現在のクルマでは想像できないぐらい定期的なメンテが必要なのが旧車だけに、自社で見てもらえるかは大きい。

 また、外部に協力工場があるということもあるが、どんなところか細かく聞いて確認しておきたい。某大人気旧車専門店ながら、さもやっているように見せかけつつ、実際はエンジンやミッションのオーバーホールが自社でできないところがあって、結局は潰れてしまった。ちなみに預けているときに倒産されると手元に戻すのはけっこう大変。

 以上、今までの経験や見聞に基づく、ポイントを挙げてみたが、それでも騙されるというか、言っていたのと違うということになりがち。店が大げさだったのか、旧車に幻想を抱き過ぎたのかは不明だが、とにかく舞い上がってしまうと細かいところが見えなくなるように思う。その場で即決しないとか、数を多く見るなどして、頭を冷やしつつ、じっくりと選ぶのが吉。ウソも多いとはいえネットも活用できるので、あらゆる情報を自分で精査して判断するのも大切だ。

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