ヘッドライト&樹脂パーツを復活させるには
ヘッドライトカバーも含めて、樹脂というのはデリケートなもの。熱に弱いし、紫外線の影響も受けやすい。クルマの場合、溶けてしまうような熱にはさらされないのでいいとしても、含まれている油分が抜けてしまう原因になるし、一番の問題は紫外線だ。
悩みが尽きないヘッドライトの樹脂カバーが曇ってしまう最大の原因は、紫外線による劣化。新品時は保護膜がしっかりとしていたのが次第に取れてしまい、紫外線が樹脂に届くようになることで黄色く劣化してきてしまう。
ヘッドライトの劣化をケアする方法
その解消にはふたつのポイントがあって、まずは劣化した表面を削り取るということ。そしてもうひとつは再度ダメージを受けないようにするために保護してやることだ。どちらも一見すると簡単に思えるが、実際は難しいわけで、それゆえに永遠の悩み的な状況になっていると言っていい。
まず表面を削り取る分には簡単と思うかもしれない。バフにコンパウンドを付けて磨けば一瞬だし、手磨きでも時間はかかるもののきれいにはなる。また、虫よけスプレーも裏技として有名だが、ディートと呼ばれる成分に樹脂を溶かす効果があって、表面の劣化した部分を除去することもできる。
いずれにしても、ひと皮剥いた状態になるため、本当に素の状態となってしまい、残っていた保護膜もすべてなくなってしまうのが問題。中途半端に残しておいても意味がないとも言えるが、後戻りできない状態というのは事実だ。
綺麗にしたヘッドライトを保護するには
次の問題である、保護はさらに難しい。じつは紫外線を高い率でカットができるコーティング剤というのは少ないし、あっても時間とともに薄れていく。さらに透明を維持するというのも難しい。それゆえ、市販のキットを使ったけど、また曇ってきてしまったということになる。結局のところ、決定打としてはクリアで塗装してしまうのが最善。DIY用の2液タイプのスプレーも売れられているので、自分でやるならこれが一番だろう。
ただし、透明な樹脂の上に均等にスプレーするというのは難しくて、失敗の可能性もあるのは事実だ。自信がないなら、プロに頼んだほうがいい。
樹脂パーツの復活方法
一方、黒い樹脂はどうか? 最近ではあまり使われなくなってきているが、一部のモールやワイパーの付け根などは紫外線の影響や油分が抜けて白くなってくる。これは保護ツヤ出し剤で油分を補ってやれば黒々としたツヤが出るし、最近ではボディでお馴染みのガラス系コーティングも出ていて、光沢のある硬い被膜で覆ってしまうので効果も長期間持続する。今までテストした感じでは1年間ぐらいツヤは持続するので、定期的に塗る手間もかからない。
そして樹脂といえば、テールランプやウインカーも樹脂だ。ライトの樹脂とはいえ、ヘッドライトに使われている樹脂とは種類が異なるので、黄ばんだり、表面に細かい亀裂が入るような劣化はしない。具体的にはヘッドライトに使われているのはポリカーボネートと呼ばれるもので、この素材の特性として黄ばみやすいのが問題となる。
一方、そのほかのレンズは飲食店のコロナ対策用パーテンションでもお馴染みとなったアクリル樹脂が使われていて、こちらは紫外線の影響を受けにくい。アクリル樹脂もくすんでくるが、これは細かいキズが一番の問題で、レンズ用にもガラス系のコーティング剤があるので、被膜が細かいキズを埋めることでツヤを出してくれる。
まとめ:適材適所のメンテナンスを
ヘッドライトにもアクリルを使えばいいと思うが、熱に弱いのと、ぶつかったときに鋭利な破片になるなどが理由でポリカーボネートが使用されている。熱に関しては低級グレードに発熱量が多いハロゲン球がまだ使われているのが問題で、将来的にすべてLEDになれば状況は変わってくるかもしれない。いずれにしても、メンテや問題解決には適材適所的な対策や方法が大切ということだ。