新旧のタイヤの違いは内部構造にある
ここで「バイアスタイヤ」と「ラジアルタイヤ」について説明しておこう。自動車のタイヤは、内部の「カーカス」という骨格部分の層の上に、地面と接するゴムが乗っている構造となっている。そして、かつてはこのカーカスを回転方向に対して斜め(バイアス)に配置しているタイヤ、つまりバイアスタイヤが一般的だった。その後、カーカスをタイヤの中心から放射状(ラジアル)に配置し、ナイロンやポリエステルのベルトで補強する新しい構造のタイヤ、つまりラジアルタイヤへと移行していく。
バイアスタイヤは、全体的に柔軟性があり柔らかい特性。サスペンションが未熟だった時代のクルマとの相性は良い反面で、転がり抵抗が大きく、横方向のGにも弱いという弱点があった。一方のラジアルタイヤは、構造上横方向のたわみに強く、転がり抵抗が少ないため燃費も良いというメリットがある。バイアスタイヤと比べてサイドウォールの柔軟性が弱いという点は、現代の自動車のサスペンションが進化したことで、タイヤの柔軟性に頼らずに乗り心地を確保できるようになったため、デメリットとならなくなったのだ。
理想のスタイルのまま安心して走れる幸せ
見た目は半世紀前のバイアスタイヤのまま、中身は最新のラジアル構造を採用した「Autobahn《R》」タイヤは、空冷VWの世界で瞬く間に人気となる。その評判は世界中に広がっており、すでに海外でもユーザーが増え続けている。小さなVWショップの情熱が生み出したこの新しいヴィンテージタイヤのおかげで、空冷VWファンは、理想のクラシックスタイルのまま、遠方まで安心して自走することが可能となったのだ。
ちなみにAutobahn《R》は、現在560R15(バイアスタイヤの5.60-15サイズに相当)というサイズをリリースしているが、これは「ビートル」や「カルマンギア」といった空冷VWに加えて、「ポルシェ356」にもマッチするサイズ。
そして現在ガレージビンテージでは「ワーゲンバス」の標準サイズである640R15(6.40-15サイズに相当)サイズも開発中だそうで、さらに「ホワイトウォール」デザインのリリースも準備している。VWショップの快進撃はまだまだ続きそうだ。
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