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着地シャコタン車がスイッチひとつでコンビニ入店可能に! 車高を自在に変更できる「エアサス」とは?

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

サーキット走行やタイトなスポーツカーには不向き

 しかし、本格的なサーキット走行の場面となると、空気バネ特有のふんわりしたフィーリングが適しているかは微妙。サーキット走行に対応すると謳うエアサスもあるが、部品点数も多く、トラブルの起きる可能性もあるので、現在のところスポーツ走行で普及しているとは言えない。

 また、車内のどこかにエアコンプレッサーを取り付けなければならないので、スポーツタイプのクルマだと貴重な収納スペースのトランクをエアコンプレッサーが占めてしまう、なんてこともある。

エアコンプレッサーを取りつける場所に工夫が必要

「走れるエアサス」を目指して、車高調にエアサスを組み合わせた製品もある。通常走行時は車高調としてコイルスプリングで車体を支えるので、サーキット走行も可能。段差を越えるときだけエアバッグに空気を入れ、車高を上げる仕組みだ。フェラーリやランボルギーニなどの高級車を中心に、アフターのサスペンションとして人気があるものだ。

 こちらはエアサスというよりは緊急回避的な車高アップの使い方で、普段はエアを抜いた車高がデフォルト。緊急時にエアサスで車高アップさせるというものだ。車高を上げたり下げたり、調整しながらの日常走行は不可なのだ。それでも、いざ段差に直面したときに、車高を上げられるメリットは大きい。

エアコンプレッサーをラゲッジ下に収納した例

「エアサス=壊れやすい」は過去のお話

 ならば、みんなこのエアサスを車高調に装備すれば、普段は車高調で、やばいときだけ車高を上げられる! となるが、問題はサスペンションストロークの長さ。エアサスのエアバッグが入る分、車高調自体を短くしなければならない。そうなるとサスペンション自体のストローク量が短くなってしまうので、タイヤが路面から離れやすいというデメリットが生じる。これもまたスポーツ走行には微妙。普段乗りでも路面のうねりや段差でタイヤが浮きやすくなり、不安定になってしまいがちなのだ。

 これまでエアサスというと50万円以上の高額なものが多かったが、近年は30万円ほどの手の届きやすい価格の商品も増えてきた。また、その信頼性も過去に比べれば圧倒的に高まっている。サーキットは走らないよ、というならエアサスを選ぶのもひとつの方法だ。

エアサスのコスパも信頼性も今は圧倒的に高くなっている

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  • ゴム製のエアバッグをバネとする
  • 完全着地から普通の車高まで自在に変更できる
  • エアコンプレッサーを取りつける場所に工夫が必要
  • エアコンプレッサーをラゲッジ下に収納した例
  • エアサスのコスパも信頼性も今は圧倒的に高くなっている
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  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
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