レースシーンやグランツーリスモで
人気を博したスカイラインGT-R
高級さのインフレ=価値がレクサスならば、高性能さのインフレ=価値はR32型日産スカイラインGT-R(1989年8月発売)だろう。市販車のレースといえばツーリングカーレースとそこから派生したグループCカーだったが、そこは欧米車の独壇場であった。
メルセデス・ベンツやBMW、ポルシェやボルボ、オペルにフォードなどが活躍しており、世界的な耐久レースであるル・マン24やニュルブルクリンク、北米のIMSA&デイトナなどの耐久レースで、日本車の存在感は高くはなかった。
ところがスカイラインGT-RやフェアレディZ、R92CP(グループCカー)は、数多くのレースで勝利を挙げてタイトルを獲得。トヨタが勝利を挙げるまではル・マンでは唯一マツダが総合優勝を果たしたが、欧州や北米のメジャーなイベントでは日産車が活躍し、存在感を強いものとした。
これらは市販車とは少し遠いかもしれないが、R32型スカイラインGT-Rはレギュレーションをうまくついた市販車の開発で国内のグループAレースを席巻。スカイラインGT-Rの復活を強く印象付けたうえ、現在へと続くGT-Rブランドの確立につながっている。
さらに世界中にファンがいるゲームソフト「グランツーリスモ」ではR33型スカイラインGT-Rが大活躍。海外のスカイラインGT-Rを知らないゲームファン(※スカイラインGT-Rは日本国内専用モデル)に、その存在を知らしめた。グランツーリスモはゲームだがリアルドライビング・シミュレーターであり、ゲームにのめりこんだファンはこのソフトがどれほど忠実に作られたのかを知っている。
そんなファンがスカイラインGT-Rの性能に触れれば興味が湧くのは自然なこと。現在、多くのスカイラインGT-Rが海外で高額で販売されているのはご存じの通り。それはグランツーリスモのおかげでもあるのだが、やはりスカイラインGT-Rの性能の高さがあればこそ。かつてスポーツカーのインフレを起こしたフェアレディZともども、スカイラインGT-Rは世界に誇れるマシンなのだ。