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ブームの裏ではびこるマナー違反! テントを張る輩までいる「SA&PA」でのクルマ旅問題5選

車中泊マナー

アウトドアブームの陰で広がる車中泊のマナー違反を考える

 キャンプブームによる愛好者の増加は喜ばしいことである反面、数多くの弊害も生み始めている。キャンプ場で大騒ぎをする、所定の場所以外にゴミを捨てる、キャンプ場の施設を破壊する……などなど、キャンプを楽しむ以前に人としてのモラル違反や犯罪行為はあってはならないことだ。

 しかし、マナーに反しているのか否か、というグレーな部分として問題視されるのが「高速道路のPA・SAにおける車中泊」。ここではその問題に触れ、再考してみたい。

グルメやサービスの充実でPA&SAがより快適に

 高速道路のPA(パーキングエリア)やSA(サービスエリア)は、利用客の休憩を目的とした施設だ。PAは駐車場やトイレなどの設備が置かれ、SAは駐車場やトイレのほか、レストランや給油所が設けられていることが多く、PAは15km、SAは50km間隔を目安に配置されている。

 トイレや食事、給油などの施設が充実したSAは、遠方へのキャンプ場へと向かうキャンパーにとってロングドライブで疲れた体を癒し、食事や地元の食材などを調達できる重要な拠点となる。

 SAで食するソフトクリームやB級グルメを楽しみにしている人も多いのではないだろうか? 最近ではSAグルメと呼ばれ、その充実したメニューが大きな話題となり、SAグルメを目的としたドライブを楽しむ人も増えているという。

安全運転のため睡眠は不可欠だが度を越した行為は迷惑千万

 しかし、アウトドアブームのなかで不届き者も現れている。不特定多数の人が利用するPAやSAはキャンパーだけのものではない。キャンプで出たゴミを捨てるのはNG行為であり、トイレをきれいに使うのは人として最低限のマナーだが、大きな問題になっているのが「車中泊」と「仮眠」の境界線だ。

 キャンプブームにより人気急上昇中の車中泊だが、PAやSAで宿泊するのは違反行為になるのだろうか? 基本的に高速道路を運営するNEXCOでは車中泊を禁止事項に入れてはいないが、先にも述べたように「休憩」を取るための施設であり、事故を防止するためにも睡魔に襲われたときには積極的に仮眠を取ることも必要となる。そもそも『仮眠』とは「通常の睡眠が取れないときに少しの間にする仮寝、一時的に短時間眠ること」とされ、『睡眠』は「周期的に繰り返す意識を喪失する生理的な状態」となる。

 簡単にいえば仮眠と睡眠の差は「時間」であるものの、人によって時間の差があるために境界線を引くのは難しい。そうなると、管理側でも仮眠と睡眠を区別することができず、利用する人のモラルに任せるしかないというのが現状なのだ。

最近ではルーフトップテントを広げる強者まで現れる……

 一般的な乗用車の場合、シートを倒して眠っていれば仮眠、車中泊ができるクルマやキャンピングカーでは睡眠に見えてしまう。だが、どうせ仮眠をするならより良い条件で寝たいと思いポップアップテントを使ってしまう強者もいる。PAやSAは休憩施設であり宿泊施設ではないという概念からすれば、これもマナー違反になることは間違いない。

 基本的にPA、SAでの宿泊は禁止されていないだけで認められている行為ではないことを理解し、睡眠を取る場合にはほかの利用者の迷惑にならないように心掛け、可能な限り車中泊を行わないように配慮してほしい。そしてキャンパーとしてはもちろんのこと、人としてのマナーを守って利用しよう。

車中泊のマナー違反行為1:長時間の滞在

 オフシーズンや混在していない場合であっても、長時間の滞在は避けること。混在している時間帯や季節では駐車場が満車になり、本当に利用したい人たちの迷惑となる。

 長時間の滞在がPAやSAに入れないクルマで、渋滞を引き起こす原因になることを忘れてはならない。つまりPAやSAでの車中泊を目的した行動は、キャンパーとして慎むべき行為であることを心に留めておこう。

車中泊のマナー違反行為2:トイレの洗面台で食器などを洗う

 道の駅のトイレの洗面台でキャンプ道具や使用した食器などを洗うのはNG行為だ。もちろん汚れた衣服やタオルなどを洗うことも避けてほしい。キャンプで使った道具は自宅へ持ち帰り、しっかりと処理するのがキャンパーとしてのマナーであり、人としての常識だ。

車中泊のマナー違反行為3:芝生などでくつろぐ

 いま車中泊が人気だが、驚くことにPAやSAの駐車場や芝生エリアにキャンプ道具を広げてコーヒーなどを入れている人を見かける。しかし、PAやSAのエリア内は火器厳禁であり、これはマナー違反の域を越えた違法行為となる。また、フォールディングチェアやテーブルを広げてエリア内を占有するのもマナー違反だ。

車中泊のマナー違反行為4:駐車エリアでのアイドリング

 駐車エリアにクルマを駐めたときには、速やかにエンジンを切ること。暖房や冷房を入れるためにアイドリング状態にしておくことはマナーに反するだけでなく、環境破壊の原因になることを忘れてはならない。もちろん、エンジン音だけでなく大声での会話や大きな音で音楽を掛けるのもNG行為になる。

車中泊のマナー違反行為5:ゴミをPAやSAに持ち込み捨てる

 大きな問題になっているのがPAやSAに家庭で出たゴミを持ち込む人が多いこと。とくにキャンプシーズンではバーベキューで残った食材や生ゴミ、食材のパッケージ、空き缶やペットボトルを大量に捨てていく人も少なくないという。キャンプで出たゴミは自宅へと持ち帰り、しっかりと分別して捨てるのがキャンパーとしてのマナーであり常識だ。

PAやSAでの車中泊を極力避けるキャンプ計画が大事!

 高速道路のSAやPAでの車中泊はグレーゾーンであり、禁止されてはいないものの公に認められている行為ではない。そのため一部のキャンパーによるマナー違反によりキャンプを楽しむすべての人が「常識知らず」のレッテルを貼られ、最終的には規制や禁止事項、車中泊の禁止へとつながる可能性も否定できない。

 マナーの違反は自分で自分の首を絞めることになる。高速道路のSAやPAで車中泊を避けるようにキャンプ計画を立て、もしも車中泊する場合にはほかの利用者に迷惑をかけないようマナーとモラル守るように心掛けてほしい。

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