カメラマンが求める仕事車選びの条件とは
仕事柄、年間数万キロ走るボクたちカメラマン。クルマ選びの条件希望は人それぞれだと思うけど、ボクの場合は機材がたくさん積めて、長距離を安全に楽に走れて、見た目がシュッとして、それでいてお財布に優しいことが条件。趣味車ならいくら注ぎ込んでもいいけど、仕事車は減価償却のことも考えないと。
不人気グレードを狙って100万円ちょいで「E300」をゲット
そんな条件をクリアして、2016年の8月にほぼ勢いで購入したメルセデス・ベンツ「S211 E300」。約4万kmを走行した2007年式で、「インジウムグレー」っていうグレーというよりほぼ茶色のボディカラーと、腰痛もちに優しい非「アバンギャルド」で布シートっていう、日本市場では誰も見向きもしない条件が揃ったのか、乗り出し100万円ちょっとっていうお値段でした。
不人気だからか? レア色だからか? 街で見る機会はほぼ皆無。とはいえ、家の近所で2回ほど見かけたことがあり、どちらも高齢の女性が運転されておりました。「アバンギャルド」と比較すると足は柔らかいしタイヤだって16インチ。
だからと言って走りを楽しめないかというと、さにあらず。高速時の直進安定性や静粛性は抜群だし、そりゃ趣味車の「プジョー106」と比べるとアレだけど、山道だって見た目のわりにはよく曲がるし、狙ったラインを楽にトレースできるあたりは106よりも上出来です。ああ、オレはなんていい買い物をしたんだ、と思う日々でした。
でした、ってことは、はいそうです。とても気に入ってたE300ですがもう手元にはないんです。
やがて始まる恐怖の消耗品祭り
「メルセデスは新車で買って3年で乗り替えるのが正解だよ」と周りの人たちがよく言ってたんです。当時はよく理解していなかったボクですが、今は非常によく理解できます。
購入後、些細なトラブルはあったけど、そんなのは長年フランス車に乗ってきたボクにとっては蚊に刺されたようなもの。しかし、約8万kmを走破したあたりからやってきました。あの恐怖の「消耗品祭り」が!
足まわりのブッシュに始まり各マウント類、こんなのは序の口です。純正品や社外品をうまく組み合わせ、個人輸入などもしつつ費用を削減。ちなみに、みんなが想像しているよりも部品代自体はそれほど高くありません。以前に乗っていた「スバル・トラヴィック」(オペル・ザフィーラのOEM)とほぼ同じぐらいの部品もあるぐらい。そりゃそうですよね。だってドイツじゃタクシーとして使われていたんだから。もちろん、目ん玉飛び出すぐらいの値段の部品もあります。
長くつきあうには主治医選びがキモ
ほかにも当たり前だけど書ききれないほどの消耗品が、順番にきっちりと寿命を迎えるんです。先人たちのブログなどで読んだ通りのことが起きました。メルセデスのクオリティの管理はすごいな! と感心するほど。
普通のお客さんであればディーラーに持ち込み、整備をお願いするのでしょう。もちろんボクも最初はそうしていました。見た目からしてお金もってなさそうなボクにも丁寧な接客、的確な診断と整備には感心すると同時に、よその中古屋で買った格安車なのに、生まれてスミマセンと思うこと多々。
しかし、部品の持ち込みができないので、自宅からすぐの修理工場に一度お願いしたところ、仕事は早いし工賃もディーラーよりは安め。何より、自宅から歩いて行けるので、途中からはこちらにお世話になることに。