フランス流アバンギャルドを適度に味わう
一方でフランス車に目を向けると、まず本国でもポピュラーカークラスを昔から得意とする「シトロエン」は気になるところ。最近では将来につながる電動車、SUV推しであり、ややデコラティブになってきたスタイル(←個人の感想です)がアバンギャルドの範疇を超えつつある気もする。ということで、ちょっと前の世代が、わが道をいくシトロエンらしさ、個性がいい塩梅で味わえるクルマとしてお勧めしたい。
現時点でいうと、マイナーチェンジ前の「C3」など、乗り心地がよくコンパクトだから扱いやすさも上々で、気になるクルマ。それと非常に個人的な推しになるが、2016年に限定200台がスポット的に発売された「C4カクタス」は、コイルバネの極上のシトロエンの乗り味が味わえる超癒し系のクルマとして気になる。
また「DS」ブランド移行後もエントリーモデルとして存在した「DS3」も、「Sport Chic」の6速MTでエンジンをシュンシュン言わせながら走らせると実に楽しいクルマ。カブリオのモノグラム柄の電動ソフトトップも、それはまあお洒落な雰囲気を醸し出している。
フルモデルチェンジして間もない「208」と「ルーテシア」もオススメ
あとは「プジョー」、「ルノー」だ。プジョーは遠く「106 S16」、「205GTI」など往年系に手を出せばキリがないが、ここでは先代の「208」などいかがだろう。ほとんど現代のプジョーといえるモデルで、例のステアリングの上を通り越してメーターに目をやるあのポジションに違和感がなければ、これもまた快活に走り回れる足まわりのポテンシャルなど、往年のプジョーの世界観を現代に蘇らせている感じといったところ。
ルノーも、情緒優先で考えると初代の「トゥインゴ」や、「アヴァンタイム」と同世代のころの「メガーヌ」のあの少しトガったスタイルを楽しみたい気もする。だが、今回は少し手堅くいき、フルモデルチェンジ前の先代「ルーテシア」などどいかがだろうか? ボディ色により地味にもポップにも乗れるクルマだが、ルノーらしく走らせると“自動車とはこういうものである”と教えてくれるような何気ないがスポーティで闊達な走りが、日常使いであっても日々の生活のアクセントになるクルマだと思う。