割高感なく程度も良好なGRB前期型の価格は安定傾向
どうしても「程度の良いSTI系がいい」という人には、ハッチバックの3代目(GRB型)前期がオススメだ。WRXといえばどうしてもセダンに大きなウイングというイメージが強いが、5ドアモデルの戦闘力の高さはWRCで勝利するために生まれたボディ形状という折り紙付きだ。
さらに実用性(荷物などの積載性)も高く、日常の使用でもセダンより利便性が高いと言える。そして、この3代目に搭載されるEJ20は、スペックもVAB型と同じ308psであることに加え、マルチモードDCCDやマルチモードVDCといった、電子デバイスの基本的な部分もVAB型とほぼ変わらない点も魅力だ。
繰り返しになるが、WRX STIシリーズで現時点でもっともリーズナブルなGRB型前期がイチ押し。ただし、後期型から登場した4ドアモデルのGVB型はVAB型ほどでないものの、価格は高めだ。また、GDA型と同じく5速MTで装備とスペックを控えめにしたS-GTや2.0GT(ともにGH8型)といった5速MTモデルも、軽快で楽しめるモデルとなっている。
EJ20ターボをMTで楽しむ4代目後期レガシィもオススメ
また、WRXに捉われることなくEJ20を味わいたい人にとっては、レガシィ系が狙い目。WRXに比べて流通量も多く、4代目後期モデル(BP5型/ステーションワゴン、BL5型/セダン)には6速MTの設定もある。自主規制前のモデルであれば、ターボのMT車ならセダンのB4でもツーリングワゴンでもインプレッサと同じ280psを味わうことができる。
車両重量やリヤサスペンション構造といった部分で違いはあるものの、レガシィのターボモデルは当時からWRXを脅かすほどの存在であり、快適装備が充実している分ファミリーユースのオーナーにも受け入れやすい。
とはいえ、どうしてもGC8型(初代インプレッサWRX)/GDB型(2代目インプレッサWRX)/VAB型(WRX STI)に人気が集中し、価格も高騰しているEJ20搭載モデル。ただし、少し条件を広げればまだまだ、リーズナブルに手に入れることができるモデルも数多い。今回紹介したいずれのモデルも、高い運動性能と抜群の愉しさを兼ね備えている。
絶版国産MT車が軒並み高騰するなかでスバル車もご多分に漏れず。個体数の減少とともに高騰傾向がさらに高まるなかで、名機「EJ20」を味わい尽くせる自分にとっての理想的なモデル(個体)を探したい。