対米輸出が可能な90年代前半のスポーツモデルは高騰
現在高騰が続いている国産中古スポーツモデル。とくに手ごろな価格でそこそこパワーのある後輪駆動車は新車で存在しないため、90年代にリリースされたスカイラインやシルビア系、ツアラー系がとんでもない価格となってしまっている。
そこに追い打ちをかけるようにいわゆる“25年ルール”によって北米地域に輸出が可能となったことで、90年代半ば以前のモデルの価格がさらなる高騰をみせているというワケだ。では、この状態はいつまで続くのだろうか?
しばらくこの状況に変化はない
正直言って恐らくこの状態はしばらく続くというのが大方の予想となっている。当然ながら年数が経過すればそれだけ良質な中古車物件は減少してくるし、一気に跳ね上がることはないかもしれない。クラシックカーとしての価値が見出させる年式となれば、より一層の価格上昇は避けられないだろう。
また当然ながら毎年25年ルールに適合するモデルは増えてくるため、まもなく25年に達するようなモデルも先行して購入し、時が来たら輸出しようとする業者もいるほどなのだ。となると、われわれスポーツカー好きはどんなモデルを狙えばいいのだろうか?
もしFRレイアウトや大パワーに固執しないのであれば、現在でも新車で販売されている、いわゆるホットハッチと呼ばれるスズキ・スイフトスポーツや日産マーチNISMOといったメーカー謹製のホットモデル。さらに、トヨタ・ヤリスカップカーやMAZDA2 15MBといったモータースポーツベース車がオススメだ。
海外でも販売されているモデルは高騰する可能性は低い
逆にFRや大パワーを求めるのであれば、順調に価格が下がっているND型ロードスター。そのほか新型が登場して旧型ユーザーの代替が進み、中古車物件が増えている先代型のトヨタ86/スバルBRZなどが、比較的安価に狙うことができるFRモデルと言える。
パワーアップを望むのであれば、先代86/BRZなどは過給機チューニングもある程度出揃っている。最近は徐々に価格が上昇しているが、日産のフェアレディZ(Z33型)やスカイラインクーペ(V35/V36型)などは、まだ無理なく購入できる大排気量FRモデルとなっている。
またロードスターや86/BRZ、フェアレディZにスカイラインクーペといったモデルは、当初から北米地域でも販売されているモデルである。そのため例え25年ルールに該当するようになっても、北米地域で販売されていなかったR34型までのスカイラインやシルビアのターボモデル、ツアラー系のように輸出されるケースは多くないと予想される。
このように選り好みをしなければ、まだまだ楽しめる国産スポーツモデルは多く、チューニングパーツも出揃っているモデルを選ぶこともできるのだ。ただ、どうしても欲しいこだわりのモデルがあるのであれば、少々無理をしてでも手を出しておいた方がいいだろう。お金が貯まってから……と言っていると、お金が貯まるスピードよりも早く値上がりしてしまう可能性が高いからである。