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日本最上級の乗用車はセンチュリーとプレジデントで異論なし! 消滅と存続の明暗をわけた2台の中身

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

安全装備の数々を投入してきたプレジデント

 日産プレジデントの登場は1965年と、センチュリーよりも先のことだった。手元に残っていたカタログは2代目(初代の大幅改良版)のものだが、ボディサイズは全長5250mm×全幅1830mm×全高1480mm、ホイールベースは2850mmと、センチュリーに対して全長は長く、幅は60mm狭い、そんな違いとなっていた。日産プレジデント

 スタイリングは、上のモーターショーのパンフレットの写真をご覧いただけばおわかりのとおり直線基調で、フロントグリルは当時のアメリカ車風。グリルが独立した2代目はフロントバンパーの中央を前方に突き出させるなどし、いかにもキャデラックあたりを彷彿とさせるような押し出しを一段と強めたルックスが与えられていた。日産プレジデント

 搭載エンジンは当初はV8の4L(180ps)および3L(130ps)を設定。2代目のプレジデント専用のカタログ巻末の諸元表をみると、搭載エンジンはV8の4.4L(Y44型)となっており、200ps/34.5kgmの性能となっている。

 装備と仕様は当時の最上級レベルが与えられ、シート地には国産初の天然の起毛ウールとある。カタログには「ソフトな肌ざわりに加え、吸湿性、起毛復元力に優れた最高級布地」とわざわざ書かれているから、“毛玉”の心配は要らなかったのだろう。日産プレジデント

 濡れた路面や凍結した路面での急ブレーキにもスキッドを起こさないE.A.L.装置(コンピューター制御スキッド防止装置)、優れた走行安定性を示す幅広の高速Sタイヤ(チューブレス)、ドアに内蔵されたドアガードバーなど、“大切な方々をお護りする安全装備の数々”も投入されていた。日産プレジデント

 プレジデントはその後、インフィニティQ45、シーマとベースとなるコンポーネンツを共用しながら存続するも、最終的にはフーガのホイールベースを150mm延長してエグゼクティブに仕立てたシーマにその役割を受け渡した。55年/3代にわたって連綿と続けてこられたトヨタ・センチュリーと較べると、企業風土の違いも象徴的に表わすイメージリーダーカーとなった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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