今もなお人気のモデルが続々誕生した
1980年代・90年代のクルマ好きからいわせれば、20年前のクルマなどまだまだ新車の類いだが、一般的には20年前のクルマはかなりの旧車。あのトヨタのCMの「こども店長」だった加藤清史郎クンも、今年成人式だったそうで、サッカーの久保建英選手も成人式。平手友梨奈さんなども新成人だった。
そんな彼らがオギャーと産声を上げたころに生まれた、2000年代前半の名車を振り返ってみることにしよう。
日産フェアレディZ(Z33)
2000年に販売終了となったフェアレディZが復活したのは、2002年7月のこと。あのカルロス・ゴーンがCOOに就任して豪腕を振るいだし、日産リバイバルプランの目玉としてフェアレディZのカムバックが実現した。
2シーター専用のFMパッケージ(プラットフォーム)を採用し、3.5LのV6エンジンをフロントミッドシップに搭載。空力的にもゼロリフトを達成し、新生ニッサンのシンボル的存在となった。
ハンドリングも素直で、少々大きめのボディだが、ドラテク練習車としてもすすめられる一台。なによりZらしいスタイリングを守ってくれたことを評価したい。
マツダRX-8
2003年に登場し2013年まで生産された最後のロータリースポーツ。観音開き4ドア「フリースタイルドア」が大きな特徴で、新設計のNA専用ロータリーエンジン13B-MSP型『RENESIS』を搭載した。
RX-7(FD3S)よりもホイールベースが伸びているが、前後の重量配分は50:50をキープしている。エンジンの搭載位置が低くなったことで、FD3Sよりもヨー慣性モーメントが5%低減。旋回性能はいまでもピカイチのレベルにある。
BMW MINI
英ローバーグループを1994年に傘下に収めたBMWが送り出した、新しい時代のMINI。日本では2002年3月2日=「ミニの日」に発売を開始した。
BMWの横置きFF? と懐疑的なところもあったが、完成度はとても高く、ハンドリングもBMWの名に恥じない仕上がり。エンジンも「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー for 2003」「テン・ベスト・エンジン2005」を受賞している。
サー・アレック・イシゴニスが設計した、オリジナルのミニの雰囲気をうまく取り入れたスタイリングも秀逸といえる。
ホンダNSX-R
2002年に登場したNSX-R 02spec。スポーツカー「NSX」の完成形ともいえるクルマで、当時、レーシングカーにもっとも近いオンロードカーと言われた。オールアルミボディが売りだったNSXに、軽量化のためフルカーボンのボンネットやリヤウイングなどを装着。リアディフューザーなど本格的な空力パーツを取り付けて、市販車で初となるマイナスリフトを実現した(180km/h時に、フロント10kg、リヤ16kgのダウンフォースがかかる)。ドイツ・ニュルブルクリンクでは、7分56秒を記録している。
ホンダではこのほか、2001年にインテグラタイプR(DC5)とシビックタイプR(EP3)も登場している。ちなみにS2000は1999年のデビューだ。カローラを抜く販売台数を記録するほど大ヒットした初代フィットは、2001年6月に発売された。
トヨタ・アルファード
高級ミニバン、大型LLクラスのミニバンで不動の地位を築いているアルファードの初代は、2002年の5月の発売。もともとこの分野は日産エルグランド(1997年)から始まったようなもので、そのエルグランドの対抗馬として開発されたのがアルファードだった。
2代目エスティマのプラットフォームを流用し、横置きのFFレイアウト(直列4気筒・2.4Lエンジン)を採用(エルグランドはV6 3.5LのFR)。国産車で初めてパワーバックドア(オプション)が設定されたのも初代アルファードだった。