街乗りもサーキットも楽しめるコスパ最強スポーツカー
走っていじって遊ぶなら、「スズキ・スイフトスポーツ」が現在最強の存在だ。「走れるクルマがない」「面白いクルマがない」という人は、まだスイフトスポーツのことを知らないだけではないだろうか。あらためて、そのすごさを検証していく。
ポイント1:ターボエンジンで余裕のある走り
3代目スイフトスポーツはパッケージがガラッと変わり、1400cc 直4ターボエンジンとなった。しかし、初代と2代目は1600ccのNAエンジン。一世を風靡した「EG/EKシビック」のB型エンジンに比べれば、20年近い時間が経っているのにどうして? と聞きたくなるほど穏やかなエンジンだった。
そこで一気にターボエンジンへシフトし、ガラッと変わった。馬力は140psと控えめだが、トルクは230N・mとNAの2リッタークラスをゆうゆうと超える、圧倒的な加速が手に入った。
高速道路では6速に入れたまま、追い越し時トラックに追い付いてしまったあともシフトダウンは一切不要。街なかでも1速からそのまま3速に入れてしまえばほぼシフトチェンジ不要だ。長距離移動も市街地も格段に楽になった。ちょっと前に出たいときも、アクセルを踏み足せば瞬時に加速してくれる。
ポイント2:最新のエンジンで制御も斬新
タービンのアクチュエーターがクローズ制御という流行りの方式で、タービンを瞬時に回すことができるためターボラグは皆無で気持ちいい加速が可能だ。エンジンは直噴にすることで高圧縮+ハイブーストが可能に。圧縮比9.9はひと昔前ならNAエンジンでもおかしくない数値だ。それにブースト圧はノーマルでもオーバーシュート時に1.0kg/cm2以上掛かる。ちょっと前なら考えられないほど、低回転からトルクがあり、ブースト圧がかかればさらに鋭い加速が可能だ。
ポイント3:軽量ボディで1t切りを達成!
ボディはスズキ最新の「HEARTECT(ハーテクト)」。骨格構造の90°に折り曲がる部分をなめらかにすることで、路面からの入力を効率よく受け止めることができ、ボディ剛性をアップさせながら軽量化を実現している。2代目がNAエンジンで1050kgだったのに、現行型は付加物の増えるターボエンジンでありながら970kgとビックリの軽量化だ。「マツダ・ロードスター」よりも軽いほどである。
ポイント4:煮詰められた各部は壊れない
基本的な足まわりの構造などは先々代から煮詰められてきたものなので、信頼性の高さは抜群。過去にはハブベアリングが弱いとか、いくつかのウイークポイントもあったが現在のスイフトスポーツではほぼない。
ターボエンジンということで水温や油温も気になるところだが、サーキット走行であっても水温や油温は適正温度内に収まる。また、純正ディスプレイ内に油温のバーグラフも装備されているので、油温メーターを追加しなくても温度を把握することができる。
ポイント5:圧倒的な価格は安すぎるほど!
それだけの速さと軽さに、装備も充実。全車スマートキー、オートエアコン、オートハイビーム、フォグランプ、バックフォグランプ、運転席シートヒーター付き。そこにアダプティブクルーズコントロール(追従クルーズコントロール)と車線逸脱抑制機能が付いて、6速MT車は税込み201万7400円。6速AT車で208万8900円と相当お得なプライス。
アダプティブクルーズコントロールなどの「スズキセーフティサポート」非装着車では6速MT車187万4400円、6速AT車194万5900円という驚きのプライスなのだ。
オススメはスズキセーフティサポート付き車両。追従クルーズコントロールは高速道路の移動が段違いに楽なるし、車線逸脱抑制機能も付くので、ラインを超えそうになるとステアリングアシストで自動的に車線内に戻ってくれる。その機能は6速MT車にも搭載されていて、時速40km/h以下になると自動的にキャンセルされるシステムだ。
ポイント6:チューニングの伸びしろ
そんなスイフトスポーツのECUを書き換えると、約15%のパワー&トルクアップが可能。160ps/265N・mくらいは狙える。それが約10万円で手に入るのは嬉しい。もう20万円ほどプラスしてタービン自体をノーマルより大きなモノに交換することもできる。ノーマルエンジン前提の仕様なので低速トルクを失うことなく、最高出力は180ps以上、トルクは275N・m以上が狙える。これもコストパフォーマンスとしてはかなり良い部類に入る。
チューニングやカスタムパーツも豊富に用意され、自分だけの1台を簡単に作り上げることができるスイフトスポーツに乗らない理由はない!