国内にも北米と同じEJ25ターボ搭載車は存在した
じつは輸出仕様のWRX STIが2.5Lターボとなったのは、VA型からではなく、その2世代前となるGD型からである。初代となるGC型では2.5LNAエンジンを搭載した2.5RSというモデルが存在したが、GD型からはEJ25ターボを搭載したWRX STIが登場した。このときからVA型となるまで、AVCS(可変バルブタイミング機構)が吸気のみから吸排気のデュアルAVCSになったり、最高出力などスペックを向上したりと、進化を遂げている。しかし、一貫して排気系には不等長エキゾーストを採用し、独特のドコドコという排気音を奏でていた。
ここまで紹介したEJ25搭載のWRX STIだが、じつは国内仕様車でも、3代目インプレッサWRX STIに設定されていた2ペダルのA-LineというモデルがEJ25を搭載していた。エキゾーストも同じ不等長となっていた。A-Lineは2ペダルでイージーにWRX STIのポテンシャルを楽しめるだけでなく、グランドツアラー的要素も与えられていた。まさに米国仕様と同じようなコンセプトであったことも、2.5Lエンジン搭載に至ったと考えられる。
現在でも販売が継続される米国仕様のWRX STIだが、こちらもそろそろ終焉を迎える様子だ。国内のWRX S4にあたる米国WRXも新型が発表されており、新型へスイッチされる日もそう遠くないだろう。