アグネス・ラムやタランティーノにも愛された
1970年代に一世を風靡したハワイ出身のアイドル、アグネス・ラムがカルマンギアに乗っていたことは、少し上の世代では割とよく知られている話。そして彼女がかつてハワイで乗り回していたカルマンギアは、じつは今、日本にあるのだ。
日本の熱心なアグネス・ラムのファンがハワイでオークションに出た個体を入手して、乗るのももったいないと、倉庫で鑑賞用として大事に保管されていたそうで、10数年前にふたたび売りに出て、現在も熱心な愛好家の手元にいるそうだ。
また、映画監督クエンティン・タランティーノの作品にも、しばしばカルマンギアが登場している。「キル・ビル2」ではユマ・サーマンが1972年式カルマンギア・カブリオレを運転して最後の決戦に向かっているし、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ではブラッド・ピットが1964式カルマンギア・カブリオレを運転している。
なんでも、タランティーノの父親がこのクルマに乗っていた思い出が作品に反映されているのだそうだ。
というわけで、ドラマの1960年代前半といえば、まだまだ「輸入車」そのものが高級品で、「ビートル」はお医者さんや弁護士のクルマという存在だった時代。そんななかでカルマンギア・カブリオレを(好みの色にペイントしたうえで)乗り回しているトミー青年は、よっぽどのボンボンだということになりそうだ。