ミドルクラスであれば荷室の奥行きが1000mmあれば合格ライン
アッパーコンパクト〜ミドルクラスのSUVであれば、大抵の荷物を積むことができる余裕の荷室があって当然だ。そのなかでも比較的荷室の奥行きが狭いのは、三菱エクリプスクロスの770mm、人気沸騰中のホンダ・ヴェゼルの775mmだろう。ヴェゼルは見た目は堂々としているが、コンパクトカーのフィットベースであることはともかく、後席居住性を優先したパッケージングだからである。
それだけでは狭い、広いのイメージが湧きにくいので、同クラスの荷室奥行き寸法がたっぷりしているSUVを挙げてみる。後席より荷室の広さを優先したパッケージングに割り切ったトヨタRAV4(1020mm)、スバル・アウトバック(1050mm)、トヨタ・ハリアー(1000mm)、ホンダCR-V(955mm)、マツダCX-5 (950mm)、三菱アウトランダーPHEV(975mm)という具合だ。荷室の奥行きが1000mm前後あると、ステーションワゴンに匹敵する荷物の積載力を発揮してくれると言っていい。
使い勝手を考えると荷室開口部の段差もチェックしたい
もうひとつ、荷室の使い勝手に大きく関わるのが、荷室開口部のフロア高との段差。ほとんどのSUVは荷物の出し入れのしやすさ、荷物の持ち上げ量軽減の配慮から段差は最小限に止めている。ただし、カローラクロスは150mm、キックスは115mm、CX-30が100mmほどの段差がある。ヴェゼルの50mm、エクリプスクロスの60mm(ガソリン車。PHEVは20mmとほぼ段差なし)あたりが荷物の出し入れ時に妨げにならないギリギリの段差だろう。30mm以下なら段差がないに等しく使えるはずである。
XVのように、通常のフロアボード位置(ほぼ水平)だと120mmの段差があっても、フロアボード後端を持ち上げて固定することで段差がほぼなくなる(フロアはやや前下がりになるが)というアイデアを持つクルマもあったりする。
ちなみにアウトドアにベビーカーやドッグカートまで持っていくとなれば、真横に積めないとそのほかの荷物の積載効率が著しく悪化するので(その上に重い荷物を乗せられないため)、クルマの購入時にはショールームなどで実際に実物を真横に積んでみて確認したい。大抵はそこを考慮した荷室幅[1000mm以上]になっている。
もっとも、荷室が狭くても、家の部屋と家具の関係のように、広さに合わせた荷物の量に絞って出掛ければいいだけの話。もっと言えば、2~3人でのアウトドアなら、ここで比較的荷室が狭めと紹介したクルマであっても、床下収納を駆使したり、後席片側のシート&足元部分を荷物スペースとして使えば問題のないケースがほとんどだろう。
ミニマムな荷物でアウトドアをスマートに楽しみ尽くす……むしろそんなスタイル、アイデアが、アウトドアの達人に通じるカッコ良さでもあったりするのではないだろうか。荷室が比較的狭めなクルマ=アウトドアに絶対不向きと言えるか言えないかは、使い方次第ということだ。