普段使いと車中泊の二刀流カーとして最高峰のミニバン
普段は普通の乗用車として使え、しかし車中泊に適したクルマといえば、ミニバンが筆頭に挙がる。なにしろセダンやワゴン、SUVとは比べ物にならない室内大空間やシートアレンジ性の良さを備えているからだ。とくに重要なのが、室内高。そしてシートアレンジをしたときのフラット度と車中泊に便利な装備、車中泊用アクセサリーの充実度だろう。
2列目シートの形が車中泊カー選びの肝
室内高については、フラット化した部分をベッドスペースだけでなく、お座敷化するのに必須。1400mmが国内最大級で、ミニバンの売れ行きを大きく左右するポイントにもなっている(アルヴェルやMクラスボックス型ミニバンなどが相当する)。室内高に余裕があれば、寝ていないときに座り、移動することも容易になり、なによりも狭さを感じにくく車内で過ごせるのである。
シートアレンジによる車内のベッド化、お座敷化については、2列目席の形状がモノを言う。ほとんどの場合、キャプテンシートよりベンチシートのほうが有利かつ適している。キャプテンシートは贅沢なかけ心地にこだわっているため、リクライニングさせても凸凹面が大きくなりがち。その点、ベンチシートは比較的凸凹が少なくフラットに倒せるのだ。
幅方向では、とくに大人ふたりと子どもの3人が縦になって横になるシチュエーションだと、シートが左右別体で間に隙間が開くようなキャプテンシートだと幅的に不可能。キャプテンシートでも左右スライドが可能なクルマもあるにはあるが、中寄せしてセミベンチシート化したところで、幅はベンチシートより狭くなってしまうのだ。
快適に車中泊するなら「AC100V/1500W」コンセント
ミニバンに限らず、クルマで車中泊する際におおいに役立つのが、まずはHVやPHVカーであること。それもAC100V/1500Wコンセントが付いていれば、外部から電源が取れなくても、車内外で家電品が使えて超便利。スマホの充電(これはUSBソケットからでもOK)はもちろんのこと、コーヒーメーカー、簡易電子レンジ、ホットプレート、電子蚊取り器、扇風機、照明などを使え、かなり文化的かつ快適な車中泊が可能になるのだ。
わが家では、AC100V/1500Wコンセント付きのクルマの車中泊にぴったりな、北欧・スウェーデンのインテリアメーカー「FARG & FORM」社の人気スタイリッシュブランド「moz」とコラボした、20分の充電時間で最大8時間ポカポカのコードレス蓄熱式湯たんぽ「moz HEAT RESERVE POKA YUTANPO」(3色展開)をドライブに持参することもある。車内にAC100V/1500Wコンセントがあれば、いつでも追加充電が可能になるというわけだ。ひとりひとつあれば、エアコンの暖房に頼らず、寒さをある程度しのげることになるから、アルファードHVのようなAC100V/1500Wコンセント付きのミニバンに乗っているユーザーにはお薦めである。
そしてもちろん、車中泊用のアクセサリーの充実度も、快適で便利な車中泊を楽しむためには欠かせないポイント。純正アクセサリーだけでなく、アフターマーケットのアクセサリーにも目を向けるべきで、カーテン、ベッドマットレスなど、さまざまなアイテムが車種専用を含め揃っているからぜひ、チェックしてほしい。