SUVはキャンプでの映えは◎だが荷物の積載性は△
最近、勢力を伸ばしつつあるSUVやクロカン4WDモデル。「アウトドアを楽しんでます!」的なスタイルはとても刺激的で、その多くが4WDということもあり泥濘地や雪路で真価を発揮してくれる。しかし、冷静に考えてみるとオートキャンプ場へのアクセスで悪路を走る機会はそう多くはない。
アメリカの荒野やアフリカのサバンナを走破するのであればSUVやクロカン4WDの性能は大きな味方になるはずだが、舗装率の高い日本では“宝の持ち腐れ“の感は否めない。ラゲッジ性能としてはステーションワゴンと同等、または少し劣る車種が多く、車中泊に向いているかと聞かれれば言わずもがな……であろう。
【SUVのオススメ度を五段階評価!】
スタイル ★★★★★
積載能力 ★★★
シートアレンジ ★★★
車中泊の快適性 ★★
乗員人数 ★★★
RVブームで台頭したミニバンがアドバンテージに優れる!
時代の寵児ともいえるミニバンだが、そのルーツは1990年代に遡る。当時はMPV(マルチパーパスビークル)とも呼ばれ、快適性を与えられたレジャー用のクルマとして生まれた経緯を持つ。商用目的で開発されたキャブオーバーのハイエースやNV350もミニバンとしてひと括りにされることも多いが、実際には似て非なるものなのだ。
乗用車として生まれ、独自の進化を遂げた最新のミニバンは日常的な使用でも快適である。日常生活では高さ制限のない駐車場を選ばなければならないという弱点はあるものの、トールボディの恩恵は高さのある荷物を積むことにある。自転車や釣りなどの趣味を優先するキャンプでは大きな味方となり、車高の高さによる見切りの良さは長距離の移動での快適性にも貢献する。
最近では車中泊やキャンプを想定したシートアレンジが標準的となり、シートをフラットにすることで車中泊を気軽に楽しめるのも大きなアドバンテージだ。
【ミニバンのオススメ度を五段階評価!】
スタイル ★★★
積載能力 ★★★★★
シートアレンジ ★★★★★
車中泊の快適性 ★★★★★
乗員人数 ★★★★★
日常生活とキャンプを両立させるならミニバンがオススメ
今回はオートキャンプと車中泊の最適性ということで「ステーションワゴン」、「SUV」、「ミニバン」を考察した。もちろん、キャンプ用として存在するキャンピングカーがもっとも快適なのだが、日常とキャンプという非日常を両立させるという意味で除外している。現在、人気の高いキャンプに適したクルマ3つタイプを比較してみるとオートキャンプや車中泊を楽しむのであればミニバンに軍配が上がる。
ドライブの快適性、居住空間の充実、ラゲッジスペースの容量、シートアレンジによる車中泊への対応力、日常生活での使い勝手の良さを合わせ持つミニバン。これからオートキャンプを目指す人、オートキャンプをさらに充実させたいと願う人には最適な選択になるはずだ。
クルマ選びの基準は人それぞれであり決して強制するものでもない。好きなクルマを手に入れて楽しむことが最も健康的だが、オートキャンプや車中泊を楽しみたいのであれば「ミニバン一択」といっても過言ではない!