日本で街乗りメインなら「オーガニック材」パッドに
なぜそんな摩材を輸入車メーカーはチョイスするのか。それは単純に、海外の方が速度域が高いから。ドイツのアウトバーンが有名だが、ヨーロッパでは平均速度が高い高速道路が普通であり、そこをハイペースで走るのである。そのとき、200km/hオーバーから一気に減速するシチュエーションでしっかりと利いてくれないと困る。しかも、それを何度も繰り返すことになって、ペダルフィールに変化が起きても困ってしまう。となると、ある程度鉄が含有されたブレーキパッドにするしかないのである。
そのパッドを日本で、低速でローターが冷えている状態で使っているのだから、鳴いたり、ジャダーも出やすい。鉄が多いパッドはそもそもダストも多いし、そのダストがホイールに刺さって綺麗になりにくい。さらに適正温度以下で使っているのでローターに正しく皮膜を形成できず、直接パッドがローターを削っている可能性も高い。
なので、国内で乗るならアフター品のオーガニック材パッドにするのがオススメなのだ。ローター温度が低いところをメインに設計されているので、鳴きやジャダーが起きることもない。ダストはサラッとしていて、軽く水洗いすれば落ちてしまう。もちろん日本国内ではありえないが、日常的に200km/hオーバーからガッツリ減速するようなシチュエーションがあるなら、純正パッドなり、アフター品のセミメタ材のパッドなどを使ったほうが良い。
近年では国産車でもスポーツモデルはロースチール系パッド採用車が増えていて、こちらも街乗り派からはオーガニック系のパッドの需要が高まっているそうだ。
街乗りに適したブレーキパッドの例
「エンドレス」の人気オーガニック系パッド「SSM PLUS」。ワインディング走行やサーキットを楽しむくらいまでの耐熱温度は持ちつつ、オーガニック系らしい扱いやすさとダストの少なさが特徴だ。
「ディクセル」のオーガニック系オールマイティパッド「ES」タイプ。オーガニック材で輸入車用がフロント1万1000円~、リヤ9000円~程度の価格ながら、スポーティな走行も可能な人気商品だ。