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ギリギリ庶民でも買える! 「フェラーリ」「アストンマーティン」「ロールス・ロイス」が仕立てた「小粒コラボ車」4台

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TEXT: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)  PHOTO: STELLANTIS/Aston Martin/BMW

  • アバルト695トリブート・フェラーリ
  • シルバーのストライプとオーバーフェンダーが与えられた
  • アバルト695エディツィオーネ・マセラティ
  • こちらはカブリオがベース
  • トヨタiQを元に仕上げたアストンマーティン・シグネット
  • 2018年にはV8シグネットも作られた
  • ミニ・インスパイアード・バイ・グッドウッド
  • 全世界1000台限定で販売された
  • インテリアはロールス・ロイス仕上げ

役付きレア車の極み、ハイエンドなコラボ仕様たち

 さて松の内も明けてウィークデイが戻ってくると、正月気分もさすがにすっ飛んで身体が重いことこの上ない。そんな時節柄、ふと想いを馳せたくなる(?)のが、小粒ながら伝統の大看板を背負い、走りも内装もひと癖ヴィヴィッド、そんな出世魚ライクなスモールカーだ。

 階級社会の欧州では経済車をあえてハイブロウ仕立てで楽しむという、上から目線なスモールカーが昔からあった。とはいえ2010年前後はその伝統を踏まえつつ、「グループ内コラボ」視点でドメスティックまたはグローバルに突っ走ってみる、という雰囲気があった。

 今や中古で転がっていたら即買い! なレア車であることは間違いないので、2022年の引きの強さに期待しつつ、総ざらいしておくのもオツだろう。

アバルト695トリブート・フェラーリ

 元はチューナーで往年の小排気量クラスの雄だったアバルトと、大排気量かつ総合カテゴリーの王者だったフェラーリ。ともにイタリアのモータスポーツの伝説ながら、同じフィアット・グループ傘下ゆえに実現したイタロ・イタリアーノな夢のコラボは、2009年フランクフルトショーで発表された。

アバルト695トリブート・フェラーリ

 当時もっとも戦闘的だった「フェラーリ430スクーデリア」同様、黒い縁どりのあるシルバーの2本ストライプとオバフェンボディ、4ポッドキャリパーのブレンボブレーキが奢られている。アセットコルサ同様のギャレット製ターボ、エキゾーストシステムにはレコルト・モンツァを採用、1120kgの車重で180psを絞り出した。ふんだんにカーボンを用いたインテリアのみならず、ナポリのトラモンターノがあつらえたトラベルバッグ×2個が付くところまで、フェラーリ顔負けの仕様だった。

シルバーのストライプとオーバーフェンダーが与えられた

 日本で2010年に導入された当初の価格は569万5000円。レッドのほか、イエローにブルー、シルバーが計150台導入されたが瞬く間に完売した。2012年には日本限定の「695トリブート・フェラーリ“トリブート・アル・ジャポネ”」(609万5000円也)が50台のみ追加され、売上の一部が東日本大震災の復興支援に寄付された。

ふんだんにカーボンを用いたインテリア

アバルト695エディツィオーネ・マセラティ

 先述のアバルト×フェラーリの好評を受け、もうひとつのイタリアン・レーシング・レジェンドとのコラボが2012年パリサロンで発表された。フェラーリのときは「トリブート(=トリビュート、捧げるの意)」というネーミングだったが、マセラッティのときは「エディツィオーネ(=エディション、~版の意)」に。

アバルト695エディツィオーネ・マセラティ

 スパルタンな仕上がりだった前者と対照的に、マセラッティ版はカブリオをベースに、モデナ生まれの由緒正しくパワフルかつ瀟洒なグランツーリスモの雰囲気を再現。ベージュのポルトローナフラウ製レザーシートに、スモールカーらしからぬ3コート仕上げ塗装の深みあるボルドーが、ため息を誘った。

こちらはカブリオがベース

 2ペダルのMTモード付5速シーケンシャルMTAと180psのパワーユニット、4ポッドキャリパーブレンボに305mmローターという仕様は695トリブート・フェラーリと同じ。全世界499台限定で日本での価格は499万円、100台も割り当てられたが即完売。2年後に50台限定でグレーが追加されたが、このときは日本に正式導入されず、だった。

上質な雰囲気にパワフルなユニット

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