意外と多いコンセント付きのクルマ
まずはコンパクトクラスのSUVから紹介すると、トヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーのHV、トヨタ・ヤリスクロスHV、トヨタ・カローラクロスHV、トヨタC-HR HVなどがある。このクラスではさすがに上級グレードにオプション扱いとなるのが普通だ。それでもトヨタの場合4万4000円(税込み)だから、せっかくAC100V/1500Wコンセントが装備できるHVモデルを選んだからには、ぜひオプション装備したいところである。アウトドアなどでの絶大なる便利さとともに、くどいようだが、災害・停電時の安心感がまるで違ってくるはずである。
ミドルクラス以上のSUVでAC100V/1500Wコンセントが用意されているのは三菱アウトランダーPHEV(新型、旧型ともに2カ所)、同エクリプスクロスPHEV、トヨタRAV4 HV&PHV、ハリアーHV、レクサスNX HV&PHV、レクサスRX HVなどがある(オプション設定含む)。
アウトドアに向いているAC100V/1500Wコンセント付きのクルマ=SUVが手に入るいう点では、トヨタ&レクサス、三菱、ダイハツ(ロッキーHVのみ)のSUVがほとんどということになる。ホンダ、日産などの電動SUV(輸入車も)はAC100V/1500Wコンセントの装備に積極的ではないようだ。
ホンダ・ヴェゼルが登場した際、開発陣にせっかくHVモデルがあるのになぜAC100V/1500Wコンセントを用意しなかったのですか? と聞いたところ、「おもな使い勝手(スマホの充電などを想定か)としては、USBソケットで十分である」という回答だった。オデッセイHVにあって、よりアウトドア志向のヴェゼルに採用しないその考え方はどうなのだろう……? なんて思ったりもしたものだ。
上記のHV、PHV、PHEVモデルのなかで、AC100V/1500Wコンセントを堂々、標準装備しているのはトヨタRAV4 PHV、三菱アウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEV(Mグレードを除く)、レクサス450h+(PHV)。
大自然のなかで電気が使える便利さとともに、くどいようだが、災害・地震大国の日本において、走破性に優れ、電源供給車としても活躍できるところから、なくてはならないクルマと言っていいだろう。実際、東日本大震災の際、トヨタのHVや三菱のPHEVが東北に集結し、停電した場所に車載バッテリーによって明かりを灯したという、今も語り継がれるエピソードさえあるほどなのである。