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お湯が沸かせるどころか電子レンジも使える! 災害時に圧倒的な強みを発揮する100Vコンセント付きのSUVとは

地震大国の日本だからこそ選びたい

 ハイブリッドやPHV(PHEV)、BEVモデルならではの注目装備がAC100V/1500Wコンセントだ。容量に余裕あるバッテリーを搭載しているからこそ可能になる装備で、車内外で家電品などが使え、アウトドアはもちろん、災害時にも威力を発揮してくれる。

 使える電化製品としては、1500W以下のパソコン、電子ケトル、コーヒーメーカー、ヘアードライヤー、電子レンジ、照明器具など。さらに給電機能を合わせ持つのが一般的で、家庭内に電力を供給することもできるのだ(V2H機器での使用は、機器が高価ゆえ一般的ではないが、延長コードを使えば家庭内に電気の供給は可能)。

いざというとき自家発電所として利用できる

 つまり、クルマの使用においてアウトドアシーン、眺めのいい場所、そして電源設備のないキャンプ場の区画などで威力を発揮してくれることになる。現地ではもちろん、移動中にパソコンやデジカメ、蓄電式湯たんぽなどの充電を行えるし、場所を問わずコーヒーメーカーや電子ケトル、電子レンジなどが使え、カフェタイムやランチタイムが可能になることから、クルマが“どこでもカフェ”にもなるわけだ。

 とくに愛犬連れのドライブの場合、高速道路のSA/PA、観光地で愛犬同伴可能なカフェやレストランはなかなかない。とくに威力を発揮する事実を、愛犬と暮らし、愛犬とともにしょっちゅうドライブ旅行に出かけているわが家では、そのありがたみを以前から痛感しているところである。

 そしてなにより、災害時に停電した時にも自家発電所として利用できる。災害・地震大国の日本においては、普段あまり使わなかったとしても、なにかあったときの一種の保険的安心装備でもあるのだ。

 それでは、国産SUVのなかに、AC100V/1500Wコンセント付きのクルマはどれだけあるのだろうか。ひと昔前は、トヨタのHVなど一部のクルマにしか用意されいなかったものの、今ではAC100V/1500Wコンセントが必要なら、選ぶ車種が限られる……なんていうことはない。セダン、ハッチバック、ワゴン、ミニバン、そしてSUVからも多数のAC100V/1500Wコンセントが用意されているクルマを選ぶことができるのだ。

意外と多いコンセント付きのクルマ

 まずはコンパクトクラスのSUVから紹介すると、トヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーのHV、トヨタ・ヤリスクロスHV、トヨタ・カローラクロスHV、トヨタC-HR HVなどがある。このクラスではさすがに上級グレードにオプション扱いとなるのが普通だ。それでもトヨタの場合4万4000円(税込み)だから、せっかくAC100V/1500Wコンセントが装備できるHVモデルを選んだからには、ぜひオプション装備したいところである。アウトドアなどでの絶大なる便利さとともに、くどいようだが、災害・停電時の安心感がまるで違ってくるはずである。

 ミドルクラス以上のSUVでAC100V/1500Wコンセントが用意されているのは三菱アウトランダーPHEV(新型、旧型ともに2カ所)、同エクリプスクロスPHEV、トヨタRAV4 HV&PHV、ハリアーHV、レクサスNX HV&PHV、レクサスRX HVなどがある(オプション設定含む)。

 アウトドアに向いているAC100V/1500Wコンセント付きのクルマ=SUVが手に入るいう点では、トヨタ&レクサス、三菱、ダイハツ(ロッキーHVのみ)のSUVがほとんどということになる。ホンダ、日産などの電動SUV(輸入車も)はAC100V/1500Wコンセントの装備に積極的ではないようだ。

 ホンダ・ヴェゼルが登場した際、開発陣にせっかくHVモデルがあるのになぜAC100V/1500Wコンセントを用意しなかったのですか? と聞いたところ、「おもな使い勝手(スマホの充電などを想定か)としては、USBソケットで十分である」という回答だった。オデッセイHVにあって、よりアウトドア志向のヴェゼルに採用しないその考え方はどうなのだろう……? なんて思ったりもしたものだ。

 上記のHV、PHV、PHEVモデルのなかで、AC100V/1500Wコンセントを堂々、標準装備しているのはトヨタRAV4 PHV、三菱アウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEV(Mグレードを除く)、レクサス450h+(PHV)。

 大自然のなかで電気が使える便利さとともに、くどいようだが、災害・地震大国の日本において、走破性に優れ、電源供給車としても活躍できるところから、なくてはならないクルマと言っていいだろう。実際、東日本大震災の際、トヨタのHVや三菱のPHEVが東北に集結し、停電した場所に車載バッテリーによって明かりを灯したという、今も語り継がれるエピソードさえあるほどなのである。

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